『追いかけて』
糸何メートルぐらい出ているんだろう・・・
糸をたどりながら追いかけた俺たちは、その糸が村の近くにあった洞窟内に続いているのをみつけたのだった。
カトレアとスラ太郎と降りてきたアルテミスに見張ってもらい、俺はハクロを呼んできて一旦洞窟前で集まるのだった。
「んー、結構深いところに行っているようですがもう糸が止まりました。切って入り口に貼り付けておきますね」
ハクロに糸がどれぐらいでたか確認してもらったところ、かなり深いとこまで行っているようだった。
「主殿、このまま糸をたどり追いかけるかの?」
「たどるが、その前に灯をつけるぞ。暗くて見にくいからな」
カトレアにランプ型のゴーレムを作ってもらい、灯りを確保して俺たちは洞窟に潜った。ちなみに、このランプ型ゴーレムは自分から俺たちが見やすくなるように歩いて移動し、火が消えそうになっても魔力を注ぐだけで1時間は持つという優れものだった。
ここまですごいのを作れるカトレアだが、そのネーミングセンスが残念である。このランプの名前だって『灯すんです』だったし。
糸をたどって奥へ行くと、洞窟だというのに不自然な鉄の扉がそびえていた。
「こりゃ、誰かが人為的に作ったものだな」
「糸が扉に挟まれています。糸がついたひとが中に入る際に閉めたようですね」
「ふむ、両面開きの扉のようじゃの。しかも鍵付きときた」
鍵付きらしく、押しても引いてもびくともしなかった。
「そうだ、スラ太郎、この鍵を開けられないかい?」
「カンタンダヨー」
スラ太郎が片手を鍵穴のなかにニュルンといれて、少しいじったかと思うと、ガチャリという音がして鍵を解除できたようだった。
「よし、じゃあ中に入るよ」
「「「「了解」」」」
扉をゆっくりと開けると、そこには何故か箱が一つだけあるようであった。
「誰もいない?しかもなんだこの箱」
「うわぁ、宝箱のようですね!」
箱がこの場に似つかわしくない程豪華だったため宝箱のようであるが、こんなところにあるのは怪しいなと思っていたら。
「何が入っているでしょうか?」
あっさりハクロが宝箱を開けた。
「おいハクロ!何勝手にやってるんだよ⁉︎」
「えー、だって開けてみた・・・」
振り返って、返事したハクロの言葉が途中で途切れた。
みると、その上半身の身体に赤黒いものが突き刺さり、ハクロを貫いていたのである。
刺しているものを見てみると、それは先程ハクロが開けた箱中から飛び出た大きな刃のようなものであった・・・。
ちょいシリアス?




