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『変な噂』

予想は当たっているだろう。

「なるほど、そのメイドを王宮で雇ってもらえないかということかぞい」

「はい。ここならメイドはたくさんいるでしょうし、安全な職場でしょうからね」



俺たちはいま、王宮に来て国王様と直に相談していた。この王宮にはローズとのこともあり、すでに顔パスでいけるからね。


それに、王宮ならメイドがたくさんいても困らないだろうし、何より国の重要人が集まるから警備なんかもすごいしね。ハグエェの件は例外だけどね。あいつが暴走しただけだからな。


「ま、別に構わんぞい。ゼロ殿にはかなりお世話になっているからぞいな」

「あの、本当に私のようなメイドを雇っていただけるのでしょうか」

「大丈夫だぞい。そもそもゼロ殿が世話になったというメイドだというからな、だが、一生懸命働いてもらうぞい」

「はい!このミット、精一杯頑張ります!」


そう言って、すぐにここのメイド長に連れて行かれたのであった。



ミットさんが部屋から出たあと、国王様には何か話があるようだった。


「ゼロ殿、たしか貴殿は一応フォン・ガロン・ヨクゴの息子だったよな」

「はい、三男ですから当主候補にはなれないため一応家をでましたが、まだ縁は切っていないですからね」


一応何も言ってこないし、別に縁を切るつもりはなかった。一応だが、ミットさんが実家のメイドであったから気にはしていたからな。でも、ミットさんが実家から離れたし、別に切ってもいいかな?


「それなんだが、最近ガロン領に怪しい噂があるんだぞい」

「『空飛ぶ怪人』でしたっけ?」


最近、実家のガロン領にあるなかのフォントス村にて、何やら怪しい人影があるというらしい。真夜中、村の中をうろついていると、いきなり肩を掴まれてそのまま体を空中に持って行かれ、適当な木の上に置き去りにされるというものだった。

ただ木の上に置き去りにされるだけで、別に殺されるとかはないらしい。そのため、空飛ぶ怪人が出ていると噂になっているのであった。


「ギルドでも噂にあがっていて、モンスターのハーピーや、バットバットンとかじゃないかと推測されていました」


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「ハーピー」

別名「人面怪鳥」と呼ばれるメスしか居ないモンスター。アラクネなどとは違い、意外にも人間の女の子にきちんと見えるらしい。手が翼で、足には鋭い鉤爪があり、獲物をその足でつかんでさらう。人間の男をさらい、繁殖に使ったりもするある意味オークと逆なモンスター。会話はできないがハーピーの容姿から人気があり、みずから攫われようとするロリコンと言えるものたちまでいる。ただ、そう言ったロリコンどもの気配はわかるのか避ける傾向があるため、ハーピー避けとしてロリコン冒険者を雇う村まである。ランクCのモンスター。


「バットバットン」

豚がコウモリの翼を生やしたようなモンスター。一応人間を襲い食べるモンスターであるが、その肉は普通の豚よりも上手く、逆に襲われるモンスター。ランクはD。


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「だが、調べようとしてもわざと攫われようとしているのがわかるのかその時は攫わないらしいぞい。だから、何か別のではないかと思われるんだぞい」

「となると、やっぱり人の仕業じゃないかと考えられますよね」

「そうだろうな。だから、ゼロ殿にはこの調査を依頼したいぞい。一応、貴殿が育った領地だから貴殿が調べた方がわかるかもしれないからなぞい」

「うーん、なんかあまり気が進まないんですよね。一応そこで育っていますが、両親とも俺に興味ないようだったし、あんまりいい思いを抱いていないんですよね」


それに、今も領民から重税を搾取しているという噂もある。そんなところにその家の者がきたら悪い感情しか向けられないだろう。


「ま、わざわざ家に帰るということではなく、王宮からの調査依頼で来たとすればいいぞい。そう考えればまだマシぞい」

「そう考えればいいですかね。じゃ、その依頼を受けますよ。あ、ギルドを通した正式な指名依頼にしてください」



と、いうわけで新たな指名依頼を受け、里帰り的な感じで俺は生まれ育った領地にむかうことにしたのであった。

モンスターと亜人の違いって結構曖昧なんだよね。ただ、一応はっきりしているのは魔石を体内に持っているかいないからしい。倒す際に大概砕けて確認できなくなるらしいが、その残滓みたいなのがあって、それでわかるらしい。


byモッセマン著「スライムクラブ1号」より

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