『王都での出来事2』
珍しく連続投稿」
そしてブックマーク20件超えてうれしいです!!
注目を浴びながら、俺たちは冒険者用の学校校門前にたどり着いた。
「じゃ、ここで別れだな」
「これまでありがとうございました」
「ええ、ゼロ様をここまで案内してくれてありがとうございました。加齢臭ひどいですけどね」
「それは余計なお世話だろっ!!」
そこでアンネルさんと別れた後、俺たちは新入生受付へ向かった。
「そういえばなんでハクロは従魔用の空間が嫌なんだ?スラ太郎はすんなり入るぞ」
「んー、ゼロ様はその中にはいったことがありますか?」
「いや、というか従魔しか入れなくて俺はその中に入れなかったんだよ」
そう、実はこの空間かなり制限があるらしい。魔物使いはどうやら従魔ができると自然とその魔法ができるようになるらしいが、その例が少ないためいまだにわかっていないことが多いのだ。
スラ太郎を従魔にして少したって、やっとその存在に気が付いた俺はいろいろ折れられるんじゃないかと思って試してみたところ、どうやら従魔とその従魔が気に入った持ち物しか入れられないようである。
「私も入ろうとしたんですが、なんか狭い感じがするんですよね。たぶん、ゼロ様が最初に従魔にしたのがスラ太郎ですから、そのサイズに合わせてしまっているのではないかと思えるんですよね。あ、でも私を倒そうとしてきた魔物使いは確かかなりでかいやつも入っていたような・・・?」
「何気に結構戦闘経験豊富なんだな」
「伊達に千年生きていませんよ。まあそこまで生き延びたからゼロ様に会えたのですから」
もじもじとほおを赤らめるハクロ。いくらモンスターとはいえ、人間とあまり変わらない見た目なのでつい抱きしめたくなるほど可愛かった。しかし、身長差的にそんなことしたら思いっきり蜘蛛の部分にあたるのだからできないが。・・・頑張って背を伸ばそうと心に決めたのであった。
「では、たしかにフォン・ガロン・ゼロ様を登録いたしました。寮番号は087号室です。後、従魔は別に部屋に入れてもいいですができるだけ従魔用の厩舎に入れるよう勧めます」
「わかりました」
手続きを終え、俺は自分が今日から住むことになる寮の部屋の鍵を受け取った。
ちなみにこの受付は俺がいつもモンスターの素材買取をお願いしていた商人さんであった。世界は広いようで狭いのである。
「ついでに、一応そんなことはないでしょうが一応注意しておきます。ハクロさん、あなたはモンスターなのでしょうが、風呂に入るときは従魔用のほうに入ってください。決してさみしいからと言って男湯に入ってはいけません」
「何でですか?」
「あなた、一応上半身女性ですよね?」
「あ・・・、そうだった。そんな、一緒に入りたかったなぁ」
しょぼんとした顔で落ち込むハクロ。というか、お前風呂一緒に入るつもりだったのかよ。
「一応部屋は一緒にいても構いませんが、何か問題起こしたら即刻従魔用の厩舎に行ってもらいますからね」
「ふぁあい」
(ずいぶん慣れた対応していますよね)
(従魔は主人に対して忠誠を持ちますが、以前女子の方で亡霊のモンスターを従魔にしている人がそれと一緒に入って苦情が来たことがあるんですよ)
まさかの前例が存在していた。
(しかし上半身が人間に近い見た目のアラクネとは・・・どこで従魔にしたんですか?)
(ここに来る途中でなったんだよ)
(なるほど)
「ではゼロさん、明日の13時から入学式が始まりますのでそれまでごゆっくりしてください。適当に王都を散策しても構いませんが、今日の18時までが一応門限でして、あと3時間ですので注意してください」
「わかりました。じゃ、とりあえず生活用品を買いに行くぞ」
「わかりました!」
「一応言っとくが、ハクロは寮の部屋で待機な」
「えっ、なんでですか!?私も連れてってくださいよー」
「あのな、ここまで何も言わなかったが、街中だと従魔は従魔用空間に入れないとダメなんだよ。ここまで出しっぱなしだったのはしばらくこの学校から出られないから見せておきたかったんだよ」
「ゼロ様・・・私のことを思ってくれて・・・感激致しました!このハクロ!部屋で待機しています!」
「わかってくれたか。じゃあ、俺はしばらく散策してくるから待っててくれ」
「了解!!」
どこで覚えたかわからない敬礼をして、ハクロはゼロが校門から出てくまで直立不応の姿勢で見守っていたのであった。
「あのなぁ、あんた一応モンスターで従魔だよな?」
「はい、そうですけど」
「一緒に行きたかったなら、さっき言ってたように従魔用の空間に入ればよかったんじゃないのか?」
「・・・あっ」
そのあと街中で全力疾走でゼロのもとに向かうハクロの姿があったという。
今のところの速さランキング
スラ太郎>ハクロ>ゼロ
この世界の時間は地球と同じくらい