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閑話 王都ギルドにて

今更だけど、冒険者ってだいたいD~Cランクぐらいに馬鹿な人が集中しているような気がする。

「なんだと?王都に向かってきていたモンスターが進路を変更しただと?」


 王都のギルド執務室にてギルドマスターのメタドンはある報告を受けていた。


 ここ数日の間にあるモンスターが王都の方に向かっていたというのだが、そのモンスターが急に進路を変更したようで王都に向かわなくなったようなのである。


 報告をしていたギルド間の絡係(職員)の男性は報告を続けた。


「はい。どうも進路を港町方面に向けているようです。王都まで続く道を通っていたはずが、途中少し止まったかと思うといきなり道からそれて進み始めたということです」

「むう、そのモンスターの目的はわからないのか?」

「今のところ不明です」

「そうか。で、今のところそのモンスターを倒して素材を得ようと、または捕まえて貴族に売ろうとした冒険者や商人たちの被害はどのくらいだ?」

「擦り傷などの軽症者は23名、骨折などの重傷者は67名まで上っております。これらはいずれも自分から攻撃を仕掛けた者ばかりで、何もしなかった者たちには一切何もしていないようです」

「なるほど、つまり自分に危害がなければ何もしないタイプのモンスターか。かなり知能が高いように思えるが、そのモンスターのもともとのランクはいくつのものだ?」

「もともとはBランクのモンスターのようです。ただ、今回確認されているそのモンスターに似たものがあります」

「何?Bランクモンスターだったのか。そしてそのモンスターに似たものとは?」

「Bランク冒険者魔物使いゼロの従魔ハクロにです」

「ハクロにか・・・」


 ハクロはアラクネのモンスター。しかしアラクネは本来醜悪な容姿をしたモンスター。そのハクロに似たモンスター、つまり知能などもそのぐらいまであるということである。


「そのモンスターがハクロに近いというならば、その容姿はつまり」

「はい、ほぼ人間に近い容姿をしているようです。そのモンスターの本来のものでもやや人間に近い容姿をしていますが、今回目撃されているのはそれは美しいモンスターで、皆出合い頭に目が奪われたと。あと、攻撃をして文字通りに奪われたものもいるそうです」

「そうか、ならばもしかしたら港町に向かっているかもしれん。ゼロに引かれたのかもしれないからな」


 そのモンスターが目撃され始めたのは、以前ゼロが向かった山のふもとにある森林の近くから。つまり、その時に何かあってゼロを目指して向かっている可能性があるのだ。


「魔物使いの従魔になるモンスターの中には自ら引かれてなるものがいる。今回もそのケースの1匹かもしれん。各冒険者たちに連絡をし、そのモンスターに対して手出しをするなと呼びかけろ!」

「わかりました。あと、今港町にいるゼロさんにも伝えておきましょうか?」

「いや、それは別にいい。下手に連絡を取るとあのモンスターに何か感づかれるかもしれないからな」


 職員がその今言った命令を実行しに部屋を出て行ったあと、メタドンはそのモンスターについての報告書を見ながらため息をつくのであった。


「まったく、あのモッセマンが気にかけている冒険者の小僧はやっぱり何かとんでもないものを引き寄せるようだな。まったく、どんな星のもとに生まれたのやら」


 お気に入りのタバコを吸いながらそうつぶやくのであった。


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「へっくし!!」

「あれ?ゼロ様くしゃみしましたね。風邪でも引いたのですか?」

「いや、なんかいまうわさされたような・・・」

 






ギルドには様々な機関があり、その中には今回のようにモンスターの動向を見張る職もある。

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