『予想外』
一応ね、有名な怪物なんかを参考にはしていますが、少し設定をいじっております。
ポセイドンクラーケンが目撃されたという場所まで歩くと、そこには「現在立ち入り禁止」の立て札がたてられていた。
「ここだよな?」
「ええ、ギルドからの地図だとここになっています」
「立ち入り禁止なら余計な刺激を与えなくて済むと考えたからじゃろうな。それにおそらくじゃが、情報規制がかけられておる」
ギルドにて手続きをとる際、他の冒険者たちはこのモンスターについての情報を知らないようであった。王都のギルドではみなに知らされたのに、ここで伝わっていないのはなぜか?それは情報が規制されたためなのであろう。
「ギルドが調査をしたのはよかったが、そのモンスターの危険性から混乱が起きないように地元に情報規制をかけたのじゃろう。こうすると確かに今は混乱が起きぬが、万が一にでも我らがこのモンスターを倒せなかった場合には避難がされなかったためこの近辺には甚大な被害が出るじゃろうな」
混乱を避けるためとはいっても、さすがに後先を考えていないようなずさんさがある感じがした。本当ならこの地の領主がだすべきことかもしれないが、政治的な問題もあるのであろう。なんか複雑な感じであった。
「とりあえず今日は、まず現地調査をしてポセイドンクラーケンの状態を調べ、明日本格的に討伐を開始するということにするか」
アルテミスに海に潜ってもらい、俺たちは網で捕獲した後どこで戦うべきかの場所を探すことにした。
「沿岸部は危険だな。港に寄港している船に被害が出る危険性がある」
「かといって、陸上にすべて引き上げるわけにはいきませんからね・・・」
「ツクルッテノハ?」
「ん?どういうことだ?」
「マスターノ、マホーデ」
「ウミコオラセルノー」
「なるほど、海上に氷の地面を作ればいいのか」
以前、王都で放った氷魔法は威力が高すぎるためここで使うのは危険と判断した。そのため、新たに習得した別の氷魔法で沿岸部から離れた海上にて氷の大地を作って、そこに引き上げて戦うということに決めた。
ハクロが作り上げた網の状態を確認していると、アルテミスが海から上がってきた。
「お、どうだった?」
「確かに海底にいるのぉ。周りの海水をすごい勢いで自身の体内へ吸い込んでいたようじゃったが・・・」
なんか珍しくアルテミスの歯切れが悪い。
「何か問題でもあったのか?」
「なんといううかその、そいつ1体ではなかったのじゃ」
「「え?」」
「ナンタイダッタノ?」
「えっとな、海中じゃと見にくかったのじゃが、他に『リヴイアタン』、『シーサーペント』、の二体がおったのじゃ・・・」
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「レヴィアタン」
巨大なウミヘビのようなモンスター。その体にある鱗は極めて強固でドラゴンにも劣らない。口からは炎のブレスをはくが、意外なことにその性格は極めて温厚であり、怒らせさえしなければ人と友好的なモンスターでもある。しかし、怒らせると大嵐を引き起こす。この世界の海では1番強い。ランクはその強さ故Sである。ちなみに、一応人との会話は可能である。
「シーサーペント」
見た目と体の性質はリヴィアタンに似たモンスター。この世界では兄弟であるらしい。さらに凶暴な性格を持つ。この世界の海では2番目に強いといわれる。ランクはこの凶暴性と特徴からSである。
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鑑定した情報は、こうだった。
「なんでその二体までもがこんなところに来ているんだよ・・・」
「ポセイドンクラーケンを止めるために来たようじゃな」
「え?なんで無関係そうなモンスターが?」
「わからん。じゃが、今は少し様子を見たほうがよさそうじゃ」
「ふむ・・・」
この二体がもしポセイドンクラーケンを止めてくれてどこかにやってくれるなら都合がいい。こちらがわざわざ倒す手間が省けるからな。だが、念のためにギルドに戻ってその話を報告しようと思い、俺たちはギルドに戻ることにしたのであった。
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森を出てから数日、それは自分が求める相手のことを考えていた。あの時感じたこの不思議な感じ。まるで自分に足りないようなものやっと見つけたようなそんな感覚。その感覚が何か知りたい。それゆえに、それは求めている相手のもとへと向かっていくのであった・・・。
さて、どうしようかな?




