『港町までの移動』
ポセイドンクラーケンて書いたけどさ、槍の形の触腕て書いたからスピア―クラーケンのほうが良かったかな?
俺たちはその日のうちに、港町へ行く準備をして向かったのであった。
アルテミスに乗っていくのは、さすがにあまりアルテミスのことを知らない人が多い港町だと騒ぎになりかねないので、一応馬車に乗っていくことにした。そして、その馬車は・・・。
「久しぶりにこの馬車に乗りましたよ」
「ま、だいたい坊主がこの馬車に乗ったのは冒険者用学校に入学した時だもんな。その時以来だな」
「しかし、なんというかやっぱ臭いですね」
「加齢臭がここまでひどいとのぉ・・・客もそりゃなかなか来ないじゃろ」
「クサーイ」
「お前ら容赦ないな本当に!!」
たまたまアンネルさんが王都にいたので、乗せて行ってもらうことにした。しかしこの人は顔だけはイケメンなのに、それ以外が本当になんというか残念な人だな・・・。
「なあ、アルテミスさんや、お前さんエンシェントドラゴンなら物知りだろ?俺のこの加齢臭臭いといわれるこのにおいをどうにかできんのかね?」
「ふむ、無理じゃな。だいたいスライムであるスラ太郎まで感じるレベルの臭いじゃぞ。スラ太郎は今人型をとっておるが、それはあくまで人型をとっているだけで、嗅覚は人間のものではなくスライムのままじゃ。スライムにはあまり臭いなんて通じないはずじゃから、お主の臭いはそれほどまでひどすぎるという事じゃ」
「そ、そんなに臭いのか」
「「「「「クサイ」」」」」
全員の意見が一致した。本当になんというか、前よりも臭いのレベルが上がっていないか?
(なんかさ、もうアンネルさん呪われているような気がしてならないのだけど・・・・)
(主殿、鑑定してみるのじゃ)
鑑定でその状態だけを調べてみた。
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スキル:「加齢臭EX」「臭いを極めてしまったもの」「スライムにまで感じさせる臭さ」
称号:「永遠の臭さ」「超・加齢臭」
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・・・なんだろう、アンネルさんの不遇に涙が出てきたよ。しかも呪いもないし、これは生まれ持っての運命だとわかってしまったよ・・・。
その結果をアンネルさんに聞こえないようにみんなに小声で伝えたら、みんなアンネルさんに憐憫の目で見ていたよ・・・。
馬車で港町へ行くには3日かかる。ポセイドンクラーケンが陸上に姿を現すのはあと1週間ほど。つまりそれまでの間にできるだけ準備をより整える必要があった。そのため馬車内で、どうやって討伐するか作戦会議をすることにした。
「アルテミス、普通のクラーケンの大きさはどれだけなんだ?」
「あまりあの生臭さを思い出したくないんじゃが、確か我自身が直接海の中に潜って捕まえたのぉ。大きさとしては我の体の大きさで考えると、だいたい半分くらいかの?そのくらいのサイズのものじゃったわい」
「今回討伐する相手はその大きさよりもでかいと考えると・・・アルテミスぐらいか」
そう考えると、どれだけでかいかよくわかった。アルテミスサイズだとすると、そりゃ暴れられたら国が滅ぶわ。
「となると、アルテミスが潜って倒すのはなしだな」
「そもそも海中戦はできませんもんね」
アラクネ、スライム、ドラゴン、人間の、このメンバーだとそもそも海中戦は無理だ。俺だと息が長続きしないし、アルテミスだと海中に引きずられる可能性があるし、ハクロも俺と同じだし、スラ太郎だとそもそも海に潜って大丈夫なのかがわからない。雨なんかに溶けたりしないから大丈夫だけど、海水ということから考えると浸透圧なんかが問題になるからなぁ・・・。
「網を作って、それに捕らえて身動き取れなくして倒すというのはどうだろうか?」
「うーん、そもそもそんな丈夫な網なんてあるかのう?相手はでかいんじゃぞ」
「網を糸で作るとしても、強度が問題になりますからねぇ・・・。作れないことはないんですけど、何とかして工夫しないといけませんよねぇ」
そのあと話し合いを続け、ハクロが大きな網を作り、スラ太郎がそれをオリハルコンスライムの力でコーティングし、アルテミスが地引網の要領で捕まえて、陸上に網が絡まった状態で引きずり出し、相手が網を振り払おうとしているうちに一気にアルテミスのブレスと、俺の火炎系の魔法で焼き倒すことにしたのであった。
この作戦には、網の耐久性、防火性が特に求められるので、追加で火に強いマグマスライムの体液を塗りたくることにしたのであった。
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それは王都へ向かう途中、自身が求める相手が今王都から少し離れていると感覚的に感じた。そして、その求める相手のところへと進路を変えていき、それの姿を見かけた者たちはその姿に心を奪われ、それを手に入れようと攻撃を仕掛けるが、それはその者たちを薙ぎ払って返り討ちにしていった・・・。
今回は二つの視点からお送りしております。




