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祝‼「100話達成」記念 王都の夏祭り後編

祝!!ついに100話!!

 昼の部も終わり、夜の部へと祭りは変化した。


 日の入りとともに、次々と路上に露店が並び、あっという間にその光景は変わっていった。


「よし!今回こそはリベンジしますよ!!」


 ハクロは気合を入れて「ゴフィッシュすくい」の店にリベンジをかけた。前回、表彰式の時に合ったこの店でハクロは1度もすくえなかったのである。


「お、今回もやってみるのか?」

「はい!」


 前と同じ店のおっちゃんがいて、ハクロと目線があうと火花が飛び交った。


「今回は前とは一味違うぜ!」

「いったいどういう事ですか?」

「ふっふっふ、実はこの魚たちの中には1匹だけ伝説の『スーパーゴフィッシュ』がいるのさ!!」

「なっ、あの数々のゴフィッシュすくいの店を回り、1度も誰にも捕まらなかったというあの伝説のスーパーゴフィッシュがですか!?」

「ああ、この店にもついに回ってきやがった。この前普通のゴフィッシュでさえ取れなかったお前さんにこいつは捕まえられるかな?」

「いいでしょう、受けて立ちます!!」


 なんか熱い戦いが始まったな。というか、なんでそんなことをハクロが知っているんだ?あれから調べたのかな?


 熱くなっているハクロをその場に残し、俺は店を回ることにした。


 ちなみに、今この王都にいる魔物使いの従魔たちは全員好きに店に行っている。あちこちの店で食べ物を食べてもらい、後程魔物使いに請求をするという。なんともまあ商売上手なことで。一応、暴れないように皆それぞれしっかりそれぞれの従魔に注意しているようだが、万が一暴れた場合はすべて魔物使いに賠償が言い渡される。そのため、自分の従魔が暴れるかもしれないと思った者たちは、従魔用空間に入れるか自分と一緒にさせるらしい。


 あたりを少し見渡すと、ちらほらと様々な従魔であろうモンスターたちがそれぞれうろついていた。俺の従魔たちも同様なのでみんな好きに店にいってる。


「ソレチョーダイ」

「あいよ、たっこんやっきね。えっと、ゼロのとこのスライムか」

「ウン!」


 あっちではスラ太郎たちがたっこんやっきを食べていた。従魔が店にて買い物などをする際に、その従魔が誰のかがわかるように皆首から一応名前と、その魔物使いの名前が書かれた名札が下げられているため、誰の従魔かわかるようにもなっているのだ。


「・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・!」


 向こうにはよく見ると卒業試験の際に戦ったあの忍者の従魔たちがいた。何か話し合っているようだが全然わからん。無言じゃないかあれ?でも一応何か通じているようだしな・・?


 しばらく見て回っていると、ある店に何か客が集中していた。


「うわすっげ!あのゴーレムもう百人前食ってやがる」

「しかしあのドラゴンのねーちゃんも負けてねぇぞ!!」


 ふと気になってみてみるとそこは「アッポウ大食い対決」と書かれた店だった。


『さーっ、タイタン選手は134人前クリアー!!一方アルテミス選手も負けじと132人前クリアー!!』

「うおおおおおおおっ!!負けぬのじゃぁぁぁあ!!」

「ゴゴゴギガギゴゴッゴ!!」


 よく見ると、アルテミスとジョイントさんのとこのタイタンが張り合っていた。互いに次々と出されるアッポウというリンゴによく似た果物を調理した物を食べていた。


「な、なにやってんだあいつ・・・」


 しかし、よく考えたらこれは妥当なところではないか?アルテミスは今は人化してはいるといっても、ドラゴンの力がある。普通に力比べのものとかだったらあんまりおもしろくないが、純粋な大食い対決だったらそれなりにいい勝負にはなるだろう。


 でもさ、あの体のどこにあれだけの食べ物がはいっていっているんだよ・・・・。タイタンの方もゴーレムだよな。なんで一応鉄の体にそれだけ入っていくんだよ。あれか、お前らの腹はあの有名ななんでも入る袋か?


  


 結局、タイタンが1人前差で勝利して、アルテミスと互いに握手をしていた。


「お主、なかなかやるのぉ」

「ゴゴゴゴッギ」


 なんか友情が生まれてるな。何言っているかわからないけどたぶん「お前もな」みたいなこと言っているんだろうか。



 そうこうしているうちに、祭りの終了時間が近づいてきた。この時間になってくると、従魔たちは主である魔物使いのもとに帰ってくるし、他の人たちもだんだんこの場から離れていく。だが、家に帰るわけではない。この後に打ち上げられる花火に似た「魔火」という者がよく見える場所へと向かっているのだ。


「ゼロ様やりました!!見てください!!スーパーゴフィッシュ獲れましたよ!!」


 ハクロが満面の笑みで帰ってきた。しかし、その蜘蛛の背中に束ねて乗せられている請求書の山が怖いんだが・・・。お前そいつ1匹のために何回やっているんだよ・・・。


「マスター、ハイコレ!」

「オイシーヨ!!」


 スラ太郎たちは体中にたくさんの食べ物をつけて帰ってきた。


「あれ?なんか請求書が思ってより少なくないか?」

「ナンカネ、ミンナクレタ!!」

「タダデイイッテ!!」


 どうやら、スラ太郎の可愛さに充てられた人たちがくれたようである。この従魔たちの中では1番町の人気者ではないだろうか・・・。というか、たぶん孫にあげる感じな人が多かったんだろうな。



 向こうから、アルテミスが何か大量に背負いながら帰ってきた


「あ、主殿、すまぬつい・・・」


 ハクロを上回るほどの請求書の山だった。


「い、いったいなにしたんだよ・・・」

「それがのう、実はついつい食べ過ぎてしまってな・・・面目ない」


 しょげかえるアルテミス。というか、お前大食いに出ていたよな!?まだ食っていたんかい!!


「ま、とりあえず請求書のことを考えるのはよして魔火を見ようか。あ、アルテミス、お前この請求書の山の罰として明日からの依頼はお前をこき使うからな」

「う・・・しょうがないのぉ。自業自得か・・・」



 

 そのあと、皆で王都の城壁をよじ登り、その上から魔火を見て楽しんだのであった・・・。







後日談

請求書はお金には困っていなかったため何とかなったが、それからしばらくの間はアルテミスがあちこち駆け回っている姿が見られたという・・・。

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