第九話 絶望-2
秀一視点で書いてる&時間巻き戻っています。
色々挑戦してみてますけど難しいですね。
どうぞ。
―7/10 午後4:30―
「雄太のやつ、大丈夫かなぁ」
俺は独り言を言いながら歩いていた。
実のところ、夢を見た事はあるけど、起きた頃には全然覚えてないというか…そう思うと、少し羨ましかった。
いや、雄太は、真剣に悩んでるんだよな。何考えてるんだろう...
少し羨ましがってしまった事を反省した。
本当は今日、雄太と一緒に誕生日プレゼントを買う予定だった。雄太自身の。自分の誕生日なのに忘れてるのかな。何も言ってこなかったし…あいつ結構ぽかんとしてるところあるからな…
自分で選べばいい話だけど、苦手なんだよな…毎回丁度雄太が買った物と重なったり、的外れだったりで。
だから一緒に欲しい物選んで欲しかったんだけど・・・部活なら仕方ないよな。もうすぐ引退なんだし。
俺は帰宅部だ、なぜがというと縛られてまでやりたい事をやりたくないからだ。
…なんとか今年は、ぴったりの物選ばないとな…
俺は商店街に向かった。
―7/10 午後8:00―
何がいいかな…
商店街に入ってからもうどれくらい経っただろう。
幾つか店に入ったけど、中々決まらない。
部活は引退時だから絵を描く道具はいらないだろうし…かといって勉強道具は堅苦しいな…うーん…
かといって、雑貨とかも選ぶセンスないしな…どうしよう。
歩き疲れてしまって、近くにあるベンチに座り込んだ。
鞄から端末を取り出して弄ろうとした…その時だった。
――――――ゴゴゴゴゴ…ッッッドン!!
ーーーー地震!
物凄い揺れだ、縦でも横でもない。感じたことの無い揺れ。
前に大きな地震を経験したことはあるけど…比べ物にならない。
俺は急いでベンチの下に入り込んで、鞄で頭を護った。
物凄い音がする…建物が崩れるような音だった。大丈夫なのか…
俺は目を瞑って、助かる事を祈った。
地震が止まった。
なんとか助かったみたいだ。
ベンチの下から出る。
うそだろ…
自分が見た光景は想像を越えるものだった。
辺りの建物は崩れて全壊、よくて半壊。
物凄い大きな地震だったことはすぐ分かった。
「避難しろ!早く!」
中年の男性が指揮を取り、避難を促していた。
言う通り、ここにいたらまずい。
でも、家はここからかなり遠いし…そうだ、雄太は森で絵を描いてたっけ…ここからなら近い。
とりあえず雄太と合流しよう。そう考えた。
「君危ないよ、早くこっちに!」
「いえ…行かなきゃいけないところがあるんで…」
「そうかい…気をつけて」
さっきの男性が声を掛けてきたが、断った。
災害時は自分で行動しなきゃならない。
従って、死んでも文句言えないからだ。
雄太のところにいかないと…!
俺は端末だけを手に取って、森に向けて走った。
だが急ごうにも、瓦礫があっちこっちに散らばっていて、とても走っているとはいえないような速度だった。地面にヒビが入っているところもある。でも諦めずに、先を急いだ。
ついに森が見えてきた…でも、それはいつもと違う光景だった。
「燃えてる…うそだろ…」
咄嗟に口にしていた。
雄太は大丈夫なのか…くっ…
近づくのは危険だ…でも行かなきゃ…大丈夫なはず…だ。
あいつは、危機的な状況下には強い。以前の地震でもかなり冷静だったし、助かってる。だから今回だって…。
俺は更に先を急いだ。
「え!?」
突然半壊状態だった建物が、自分のいる方に向かって崩れてきた。
結構高めの建物だった。
咄嗟に横に逸れるように飛び込んだ…だが遅かった。
ぐっ・・・。
下半身が下敷きになった。凄い痛みで、声すら出ない。
森の燃え方は激しさを増していた。さっきより近づきはしたけど・・・もう歩けそうにない。
「死にたく・・・ないな…雄太…」
余震か、さっきよりは弱いが、再び揺れていた。
山の方に目をやる…噴火している…?
動けず、どうしようもなかった。
疲労が溜まっていたのか、こんな時なのに眠気が襲ってきた。
「寝て・・・このまま死ぬ・・・のか・・・」
眠気に抗えずに、俺はそのまま目を閉じて、眠ってしまった。
なんか終わり方変だな〜と思いつつも内容が思いつかないのでストップです。
もしかしたら多少修正なりするかもしれません。