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竜と異世界で  作者: blood
8/11

第八話 決意

更新モチベ上がってるので結構サクサクでした。

今回は色々チャレンジしてみました。


それではどうぞ〜。

「決めた、強くなる。迷惑かけるわけにはいかないから」


相棒に言った。自分の中で思っておくだけじゃそのままになるから戒める為に。

でも返答は、意外なものだった。


「強くなる、か。目標を持つのはいいことだ。…だがな雄太、勘違いしないでほしい。契約を結んだのだぞ?相棒だ。迷惑なんて承知の上だし、そんな風に思っているつもりはない、気にしないでいいんだ」

「ルム…ありがとう」


相棒の優しさに、自分は満たされていった。




「流石にお腹減っちゃったな。魔法使ったからかな」

「ははっ、そうだな。とはいえ、今は殺生は嫌だろう。森の中に入って果実でも食べるか?」

「そうしよう」

「魔法にも限度があるし、近いから歩くか」

「うん」


森の方に歩みを進める。



だが異変が起こった。

数歩歩いたところで視界が傾いた。足がふらついている。


「うっ・・・」


ついにはバランスを崩して、後ろへ身体が落ち始めた。倒れる…


「大丈夫か!」


相棒が手で身体を支えてくれていた。


「ごめん…めまいかな…」

「身体がまだ力に追いついていないな…無理したな。歩くのはきついだろう。背中に乗るといい」

「うん、ありがとう…」


相棒は手で自分の胴体を掴み持ち上げ、背中に乗せる。

朝なのに瞼が重くて、目を閉じてしまった。眠たい。


されてばかりじゃいけない。

相棒とはいえ頼りきりじゃいけない。強くならないと…

自分は思い直したと同時に、眠りに落ちてしまった。





「眠ってしまったか…」


森に向け歩きながら背中で眠る雄太を見つつ、独り言を呟く。

起こしてしまわんよう、ゆっくり歩くか。

落ちないように背中に手をまわして、優しく掴む。


雄太からすれば、色んな事があり過ぎただろうな…相当疲労が溜まっているだろう…お疲れ様だ。雄太。


むぅ、まだ弱い子供だ…我が護らねば。

相棒を失うわけにはいかん、何より孤独は苦しいからな…戻るわけにはいかない。

雄太は強くなると言った。雄太が決心を固めたのならば、我も持たなければならん。

護ってみせるぞ…必ずだ。


イガルムは歩きながら、相棒の事を気にかけつつ、自分も決心を固めていた。

それから少し歩き、木の実のある場所に着いた。

…起こすか。


「起きるんだ雄太。着いたぞ」


雄太を掴み地面に下ろし、頬を撫でてやった。


「ふぅん〜」


喉を鳴らして気持ち良さそうに眠る雄太。

…卑怯だ、起こせなくなるだろう、愛らしい……全く我もだめだな。


自分の事を少し自責する。

・・・起こさねばな。


「起きろ雄太、雄太!」


肩を弱めに叩く。

雄太が目を開けて、体を起こした。


「ん〜寝ちゃってたね」

「いきなりあんな魔法を扱えば仕方あるまいな。さて、採るか」


低めの木になっている木の枝目掛けて爪を掲げ、切り裂いた。

果実が落ちる。

落ちた木の実を拾い、雄太に渡す。


「これは中々うまいぞ、水分もかなり取れる」



雄太が少し匂いを嗅ぎ、口に頬張った。


「凄く美味しいね、これ…林檎みたいな食感に桃みたいな味がする…」


林檎、桃?以前いた世界にあった食べ物なのか?

色々と疑問が湧いたが、今は置いといてまたいずれ聞くことにしよう。


「もう少し食べたい」


雄太の率直な要求に、我は応じた。


「ああ、好きなだけ食べるといい」


木の枝を切り裂き落ちた果実を、かき集め雄太の前に置いた。

うまそうに食べる雄太の顔に、喜びを覚えた。


「ふぇ…食べた食べた」


満足げに我を雄太が見つめてくる。

人間には持つと片手が塞がってしまうような大きさなのに、5つも食べるとはな…相当腹が減っていたんだろう。昨日もまともに食べていなかったしな。


「よく食べたな、雄太

残りは我が食べてもいいか?」

「うん、いいよ」


残った果実を鷲掴みにして、口に流し込み丸呑みした。

味を楽しんだり大きなものは噛まなければならないが、腹を満たすには噛まず丸呑みするのが一番なのだ。


「さて、腹を満たしたところで、これからどうしようか」


軽く話しかけたつもりだったが、雄太が重い顔で我を見ていた。


「…一度戻りたいんだ。前の世界に、もしかしたら生きているかもしれないし…確かめたい」

「むぅ…ダメだと言っても聞かんだろうな…確かに可能性は無いわけではない。だが、何があるか分からん。危険覚悟だが、それでも行くか?」


重い顔をしている時点で何となく察しはついていたが…だが相棒の頼みだ、聞かねばならない。


「分かってる…でも、可能性を捨てたくないんだ」

「そうだな、行くか、少し待ってな」


魔法を唱えるか…


「ゲータルワルトムーズ…!」


金属音が鳴り響き、辺りを白い煙が包みこんだ。魔法が行使できたようだ。


「私に乗れ、雄太。何があるかわからん…気をつけるんだぞ」

「うん、ルムもね」

「ああ…」


雄太が背中に乗る。準備は整った。可能性が、残っていればいいが…


足に力を入れ走り出す。一気に加速し、煙の中に入った。

はい、相棒ドラゴンのイガルム視点を中盤から入れてみました。

次もちょっとチャレンジします(笑)


それでは~。

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