第20話 あいつは俺と同じだ
帝国前線。
赤と青のブレイバー。
接続値――30%。
戦闘開始。
共和国REV部隊。
レイが撃つ。
残響。
“座標修正”
“まだ動ける”
“待ってくれ”
一瞬、照準が微調整される。
発射。
撃破。
次。
ルクが斬る。
残響。
雨音。
焦げる匂い。
“母さん”
レイの追撃が、
ほんの僅かに遅れる。
ルクが横から撃つ。
沈黙。
通信。
ルクは軽く言う。
「そんなんじゃ撃たれるぜ?」
冗談の調子。
レイは答える。
「誤差だ」
「だろうな」
それ以上追及しない。
⸻
帰投後。
地下格納区画。
ルクは整備中の赤いブレイバーの横で、
アインスに言う。
「ハカセ」
「レイの機体、どっかおかしくねぇか?」
アインスは端末を見る。
「ブレイバーは正常だよ」
「駆動系も、神経伝達遅延も誤差範囲内」
「脳波形も安定」
ルクの眉が僅かに動く。
「じゃあ何だ」
「何かあった?」
「……いや」
ルクは小さく息を吐く。
「遅いんだ」
アインスは首を傾げる。
「数値上は変わらない」
「接続値30%、安定」
「以前と同じだよ」
沈黙。
ルクは低く言う。
「あいつは俺と同じだ」
「遅いなんて、ありえねぇ」
そのまま去る。
⸻
柱の影。
レイが立っている。
聞いていた。
“俺と同じだ”
“ありえねぇ”
胸の奥に、ざらつき。
残響ではない。
処理不能の何か。
自分はルクと同じか。
同じなら。
なぜ。
あの瞬間、
引き金が止まった。
レイは自室へ向かう。
背後で整備音が続く。
残響が、静かに重なる。
“まだ生きてる”
“守れ”
“帰りたい”
レイは目を閉じる。
分類。
音。
ただの音。
だが。
一つだけ。
消えない。
“あなたはこの声に何を感じるの”
その問いが、
今までより長く残った。
第20話まで読んでいただきありがとうございます!
唐突ですが気に入った登場人物はいますでしょうか?
ルク?レイ?フィーナ?
アインスやユユ、ネストもいますね。
あなたはどのキャラに揺れるのでしょうか?




