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第17話 お前にはどう聞こえる?

地下居住区。


二人部屋。


簡素な空間。


壁際に二つのベッド。


照明は落ちている。


帰投したレイは、無言で部屋に入る。


軍服のまま、ベッドに腰を下ろす。


動きが、わずかに重い。


向かいのベッドに寝転がっていたルクが、天井を見たまま言う。


「夜は濃いだろ」


レイは答えない。


数秒の沈黙。


やがて、レイが口を開く。


「残響」


間。


「お前にはどう聞こえる?」


ルクの視線が、ほんの少しだけ動く。


「別にどうも?」


軽い。


いつも通り。


レイは俯いたまま。


「そうか……」


静かな息。


ルクは腕を頭の後ろに組む。


「強いていえば」


少しだけ考える素振り。


「証明の音だな」


レイの視線が上がる。


「証明?」


「存在の証明さ」


ルクは笑う。


「残響数が、俺たち兵器の価値だろ?」


当然の理屈。


揺らぎのない声音。


レイは黙る。


夜の断片が脳裏をよぎる。


“嫌だ”


“まだ”


“助けて”


それが、価値。


レイはゆっくり口を開く。


「……なあ」


わずかな間。


「俺たちは」


言葉が止まる。


ルクは即答する。


「兵器だ」


迷いはない。


レイは視線を落とす。


「……ああ」


ルクが天井を見たまま続ける。


「遅くなったな、レイ」


レイはわずかに眉を動かす。


「そう、かもな」


ルクが体を横に向ける。


「気にすんな」


「俺にとっちゃ変わらねー」


レイが顔を上げる。


「なにが」


ルクは笑う。


「隣だよ」


上でもない。


下でもない。


隣。


それだけ。


レイはしばらく何も言わない。


兵器だ。


それでいい。


そうでなければならない。


喉がわずかに動く。


「……ああ」


ほんの少しだけ、


自信のない声だった。


部屋の明かりが落ちる。


夜は、静かだった。


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