表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/43

第14話 この声に何を感じるの

整備区画。


赤いブレイバーの装甲に光が走る。


ルクは機体を見上げたまま言う。


「最近、遅いな」


レイは青いブレイバーの脚部を点検している。


「誤差だ」


「誤差ね」


ルクは笑う。


「残響、変わったか?」


一瞬。


レイの手が止まる。


「変わらない」


即答。


ルクは深く追わない。


「濃くなるのは悪くねぇぞ」


「証明になる」


兵器である証明。


レイは答えない。


出撃警報。


二人は同時に機体へ乗り込む。


接続開始。


30%。


視界が拡張する。


駆動系が身体と一致する。


赤と青が発進する。



丘陵戦域。


帝国側攻勢。


ガンズ部隊が前進するが、


白い閃光が戦線を止めていた。


REV-IIPパールメイル


純白の機体。


緑の副光が細く走る。


両手に振動刃。


「白百合だ!」


帝国側通信がざわめく。


ルクが笑う。


「面白ぇのがいるな」


踏み込む。


赤いブレイバーが弾幕を抜ける。


フィーナは単発式長銃を撃つ。


正確。


だが当たらない。


ルクは読んでいる。


弾道を外す。


距離が詰まる。


振動刃と振動切断刀が衝突。


火花。


フィーナは受ける。


二刀で防ぐ。


押される。


重い。


純粋な出力と踏み込みで上を行かれる。


ルクは笑っている。


「おいおい、守るだけか?」


フィーナは答えない。


後退。


部下機へ指示。


「隊形維持、焦らないで!」


その瞬間。


別の方向で青が動く。


レイ。


短銃三射。


一機のREVが崩れる。


残響。


フィーナの胸が締まる。


部下。


考えるより早く動く。


ルクの刃を弾き、


反転。


青へ。


刃が交差する。


接触通信。


ノイズ。


その中に、声。


「あなた達が20%…!」


レイは即答する。


「今は30%だ」


フィーナの呼吸が一瞬止まる。


「30%...!?」


限界域。


再び刃が触れる。


火花の中。


「あなたはこの声に何を感じるの!」


一瞬。


レイの視界が揺れる。


“まだ”


脳裏を過る。


“嫌だ”


胸の奥が波打つ。


だが口は動く。


「何も」


切断。


その瞬間。


別方向から銃撃。


ルクへ集中砲火。


複数のREVが赤へ照準を合わせる。


ルクは舌打ちする。


「いい連携だな」


斬撃で一機を押し返す。


だが数が多い。


フィーナの方へすぐ戻れない。


戦場が二分される。


赤対多数。


青と白。


フィーナは撃たない。


斬らない。


ただ、止める。


レイを。


再接触。


刃越しに視線が合う。


揺れているのは、


どちらか。


増援の信号。


アインスの声が入る。


「はーいデータは十分だよ。撤退」


ルクが不満げに笑う。


「もう少し遊べたろ」


青が後退を始める。


白は追わない。


部下機の回収を優先する。


丘陵の上で、


赤と青が去る。


白は立ったまま。


通信が切れる。


静寂。


レイの耳に残る。


“あなたはこの声に何を感じるの”


残響ではない。


問い。


ブレイバーの駆動音の中で、


その言葉だけが消えなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ