サイタちゃん。
『From Abyss』ショートアンソロジー
第二回はヒロインであり、紅一点でもある
彩田碧さんの回です。
今回も童話口調にしました。
というより、この口調で統一した方が良いかも
しれないという自我もあります……
燼宮凱人くんの回でもそうですが、
邪神のようなモノが少し出てきます。
短いですが、何卒………!
「サイタ アオイ」ちゃんはとてもかわいくて、
クラスの皆んなから人気がありました。
しかも、超が付くほどのお金持ちなのです。
だから皆んなが持っていないような物を
アオイちゃんは持っていました。
アオイちゃんは自慢をするのが好きですが、
それを使って友達といっしょに
遊ぶのも大好きでした。
美少女版「骨川ス◯夫」ってワケですね。
お金持ちのせいか、アオイちゃん家は
つねに忙しい家庭でした。
アオイちゃんも小学生だけど習い事を
たくさんしなきゃいけなかったのです。
たがら友達と遊びたくても
時間がないことが多々ありました。
でも、アオイちゃん悲しくはありません。
だって学校に行けば友達は絶対にいるし、
家にもアオイちゃんだけの友達がいるのです。
友達と云ってもお姉さんなのですが。
そのお姉さんはアオイちゃんの前にだけ
あらわれます。
アオイちゃんはそのお姉さんと
おままごとやゲーム、時には宿題を
手伝ってもらったりもしました。
(もちろん、全問不正解です)
ある日の夜、アオイちゃんがそのお姉さんと
いっしょにお風呂に入った時のことでした。
「どちらが長くもぐれるか″競争″しよう!」
とアオイちゃんが云いました。
アオイちゃんはたまに血気盛んな時があるのです。
お姉さんが笑顔でうなずき、直ぐにもぐりました。
アオイちゃんはおどろきましたが、
もぐったことにおどろいたのではなく、
その笑顔が気味の悪い真っ黒な目と口だったこと
にとてもおどろきました。
急いでもぐらなきゃと思っていると
いきなりアオイちゃんは引きずり込まれました。
下を見てると両足に風呂の水が大蛇のようなトグロを巻きつけて沈み込ませようとしていました。
お姉さんに助けを求めようとしても、
動けないし、あの怖い笑顔のままです。
なんだか風呂が深海のように広く暗く感じて
しまい、アオイちゃんはとてもあせりました。
そんな時、上からオモチャが降ってきました。
お風呂用のオモチャもいっしょに沈んだのですね。
その中から武器になりそうなモノを見つけました。
いかにも天使が使いそうな安全な弓矢です。
それをお姉さんに向けて弓矢放ちました。
オモチャの弓矢は水の中でも
勢いを増し、お姉さんのオデコを貫通しました。
急に意識がとぎれ、気がついたら
自分の部屋のベットにいました。
でも、周りには心配そうな
お父さんとお母さんがいました。
2人によると、風呂場で急に暴れ出したり
お姉さんと連呼したりして大変だったと
聞かされました。
1番不思議だったのは
お風呂には水が入っていなかったのに
アオイちゃんがびしょ濡れだったことです。
それに足と髪の毛が少し凍っていたことも。