「豚に真珠」は、聖書から
豚に真珠、猫に小判、馬の耳に念仏、犬に論語、兎に祭文、牛に対して琴を弾ず……動物の例えが多いですが、これらはすべて「貴重な物も、価値の分からない者にとっては無意味である」という意味のことわざです。
この中でも「豚に真珠」という言葉は、「新約聖書」からの出典です。
~新約聖書 マタイ伝・第7章6節~
「犬に聖なるものを与えてはいけない。豚に真珠を投げてはいけない。彼らはそれを足で踏みつけて、あなたがたに攻撃してくるだろう」
不浄な動物、愚かな家畜に、価値のある物を与えても価値を理解しないどころか、攻撃されたと思って反撃してくるだろう、という言葉からの引用なのです。
意外なところで、聖書からの引用といえば、「目から鱗が落ちる」もそうです。
「あるきっかけで、急に物事の実態を理解できるようになること」という意味です。
イエスに刃向かっていたパウロは、強烈な光に包まれて目が見えなくなり、意気消沈するのですが、イエスが使わしたアナニアという人物によって目が見えるようになった、という場面。
~使徒行伝・第9章~
「目から鱗のようなものが落ちて、元どおり見えるようになった。そこで彼は立って洗礼を受け、食事を取って元気を取り戻した」
人間の目から落ちるのは、せいぜい目ヤニかコンタクトレンズくらいでしょうけど、ヘビが脱皮する時には本当に「目からウロコのようなものが落ちる」ことがあるようですね。
(もともと、ヘビの目の表面は薄い膜で覆われており、脱皮の時には古い膜が剥がれ落ちるため)
他にも、「狭き門」「砂上の楼閣」「働かざる者食うべからず」などの言葉や、「カリスマ」「タレント」の語源も聖書にあります。




