「ヘチマ」の意外な名前の由来
小学校の頃、「ヘチマのスポンジ」を作ったことがありました。
実ったヘチマの果実を乾燥させ、水分を飛ばすと、スポンジのようにふわふわした塊になるのです。
昔は、実際にスポンジのようにして、お風呂場で体を洗うのに使ったようです。
ふわふわの塊の繊維をほどいていくと、糸が取れます。
糸が取れる瓜、ということで、江戸時代くらいに「糸瓜」という別名で呼ばれていました。
「いとうり」が、使われるうちに頭の「い」が取れて、「とうり」へ変化します。
この「とうり」の「と」の文字。
「いろはにほへとちりぬるを…」の順番で、「と」の文字は「へ」と「ち」の間にある、へ・ち・間ということで「ヘチマ」となったとか。
江戸っ子の粋な言葉遊びというところでしょうか。
ついでに、漢字雑学をひとつ追加。
糸瓜の話で「瓜」の話をしましたが、「瓜」とよく似ているのが「爪」という字。
昔から言われている漢字の覚え方として「瓜にツメあり、爪にツメなし」というのがあります。
「瓜」と「爪」では、「瓜」の字の方が画数が多く、下の尖った場所(カタカナの「ム」みたいな箇所)を「ツメ」に見立てて、の言葉なのでしょう。




