なぞなぞ「虎の子渡し」
「非常に危険なことに挑む」ことの例えで「虎の尾を踏む」という言葉があります。
狂暴で獰猛な虎の尻尾を踏んでしまったら、どうなるか……覚悟のいる行為を指す表現ですが、実際の虎の尻尾はあまり神経が通っていないそうで、踏んでも気づかれないこともあるようです。
さて、今回は「虎」の話。
「虎の子」といえば、「可愛がっている子供」「大切にして手放せないもの」、転じて「秘蔵の金銭や品物」「貯めていた資産」といった意味でも使われます。
「虎の子」という言葉が生まれた由来は、虎は生まれた子供を非常にかわいがって育てるという習性からです。
虎と同類の猫を例に挙げると、親離れは4ヶ月~6ヶ月ほど。ですが、虎は2年ほどして、やっと親離れをします。
「虎の子渡し」という言葉は「苦しい家計でやりくりして、子供を育てる」という意味を含むことわざです。
それとは違った意味で、私が小学生のころに読んだ「なぞなぞ」の本で、頭の体操の「虎の子渡し」を紹介していました。4匹の虎が、川を渡るお話。
虎が3匹の赤ん坊を生むと、そのうち1匹は必ず獰猛な性格に生まれ、母虎が近くで見張っていないと、獰猛な1匹が他の2匹の子虎を食ってしまう。
母虎1匹、子虎3匹、計4匹が川を渡る時、子虎たちだけでは川に流されてしまうので、母虎が子虎を運ぶ必要があるのですが、一度に運べる子虎は1匹だけ。
対岸に、獰猛な1匹と普通の1匹を置いて離れてしまうと、目を離した隙に食べてしまうかもしれない……母虎はどう動けば、最短の手で済むか、という中国の説話『虎、彪を引いて水を渡る』からきています。
ちょっとだけシンキングタイム。
正解はこちら。
母虎はまず、獰猛な子虎を先に向こう岸に渡してから、いったん引き返します。
次に、残った2匹のうち1匹を連れて向こう岸に行き、今度は、獰猛な子虎だけを連れて、ふたたび元の岸に戻ります。
その次に、3匹目の子虎を連れて向こう岸へ渡ります。
この時点で、元の岸には獰猛な子虎1匹だけが残っているので、母虎は最後に残った獰猛な1匹を連れて向こう岸へ渡る、という流れ。
こうして、子虎は食べられることなく、無事に渡りきることができました。
途中で一度、獰猛な子虎を連れて帰るのがポイント。




