神社の狛犬は、口を開けている? 閉めている?
何も言わなくても、ぴったりと息のあった様子を「阿吽の呼吸」と呼んだりします。
仏教用語で、「阿」は万物が発生する原理、「吽」は万物の終結する智徳を意味します。
元々は、サンスクリット語の「始まりと終わり」から来ているようです。
「相対・対比・対立」といった意味も「阿吽」にはあります。
神社で向かい合わせに並んだ一対の狛犬を見ると、一方が口を開き、もう一方が口を閉じています。
「阿吽」の「あ」の形の口と、「うん」の形の口なので、「うん」の方は口を閉じている、というわけです。
大体の神社において、鳥居をくぐって右手にいる狛犬が「あ」の口をしていて「阿形」と呼ばれ、左手の方にいて口を閉じているのが「吽形」と呼ばれています(配置が違う場合もあります)。
よく見ると、この二体はまったく同じデザインではなく、「阿形」と「吽形」は似ていますが異なっており、「吽形」の方は、狛犬ではなく、獅子なのだそうです。
動物ついでに、もうひとつ。
神社の彫刻で、「クジャク」は縁起物として知られています。
クジャクは、毒蛇を食べてもその毒にあたらず、死なないことから、昔の人は「神の使いの鳥」として扱ったのだとか。
(それ以前に「クジャクって毒蛇食うんだー」とビックリですけど)
一説には、クジャクが「不死鳥」や「鳳凰」のモデルとなった……と言われる場合もあるようですが、起源はもっと古いそうなので、クジャクがモデル説はなさそうです。




