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地表から空に上る雷がある

「雷」というと、空に浮かんだ黒い雲から、地面に向かって稲妻がゴロゴロドカーン!とやかましく光って落ちてくるものですが、まれに「地面から空に向かっていく雷」が発生するそうです。

 テレビのニュースで見たことがありますが、その映像は衝撃的でした。


 雷はもともと、雲の中の「プラスの電気」と「マイナスの電気」によって発生します。


 雲の上にいる鬼が、太鼓を打ち鳴らして雷を作っているはずは……ないですね。

 年配の方だと「ドリフの雷様」コントを連想するかも、ですけど。


 地表に存在する「プラスの電気」に反応して、空に浮かぶ雷雲の中の「マイナスの電気」が引っぱられて、一気に落ちてくる、というのが「落雷」という現象。


 ところが、気象条件が揃い、非常に低い位置に雲が発生したりすると、空の雷雲の中にある「マイナスの電気」に、地表の「プラスの電気」が反応して、一気に昇っていく、という珍しい現象が起こります。


 これは、「逆さ雷」と呼ばれたりします。

 稲光が何本にも枝分かれして、空に昇っていくのを、樹木に見立てて「雷樹らいじゅ」と呼ぶこともあるそうです。

 

 現代では、科学の進歩により、「雷」は雷雲の中のプラス・マイナスの電気の仕業だと分かっていますし、小学生でも漠然と「雷雲にはすっごい電気があるんだ」くらいは知っていると思います。

 雷が鳴ると、怖がっておへそを隠すくらいの年頃の小さな子供は、それはそれで可愛いですけどね。


 そういった理屈を知らない大昔、「神様の声が鳴り響く」、つまり「神鳴り(かみなり)」と呼ばれ、それが「雷」に変化したと言われています。


 落雷があった地域は、地面の中の電気イオンが活性化し、植物や農作物がよく育つ、という現象が見られます。

 

 まだ研究中の分野らしく、ハッキリとした因果関係は解明されていないようなのですが、キノコの栽培をしている農家で、人工的な電流で栽培速度を飛躍的に高める、という実験をしているところがあるそうです。 


 不思議なもので、科学的知識がなかった昔の人も、「落雷があった地域は、なぜか農作物がよく採れる」ということを経験則から学んでいました。


「雷」という字も、落雷があった「田んぼ」で豊作だったからこそ、雨かんむりに「田」で、「雷」という漢字を作ったのではないか、と。


 思えば、「稲妻」という言葉もそうです。


「稲」を育てるパートナー、つまりは「妻」的な役割として、必要なものが「稲妻」だった……つまり、稲穂を育てるためには、やっぱり雷の持つ膨大なエネルギーを重要視していた、ということでしょうか。


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