特殊すぎた携帯電話たち
前回、「ガラケー」の由来について掘り下げました。
今回も、もうちょっと続けます。
パカッと二つ折りタイプで、テンキーや操作ボタンがついていたガラケー。
独自の進化を遂げ、あまりにも「特殊な進化をしすぎた」ガラケーたちの栄枯盛衰……。
私、そういう「ヘンなガラケー」が大好きで、当時は展示用サンプルを集めていたんですよ。
ショップの店頭には、実際に操作はできないけれど、手に取って実際にパカパカ開け閉めして、その感触を体感できる実物大サンプルがありました。
そのサンプル品を「モック」と呼んでいました。英語の「モックアップ」が語源で、「試作品」「模型」を意味します。
展示期間を終えると、モックは「一個百円」とか、カゴに山積みされ、投げ売りされてたんですよね。(今では、中古モックでも高価です……)
デザインがカッコイイ機種とか、ギミックがユニークなモックを、コツコツと買っていました。
機種にもよるけれど、ガラケーの特殊でヘンな機能、たとえば……。
<3D機能>
裸眼で3D立体視を楽しめるディスプレイを搭載。
待ち受け画面を立体的に表示したり、撮影した写真を3Dに変換して奥行きを出すこともできた。
<サイクロンケータイ>
二つ折りのケータイで、開いた液晶画面をカクンと90度横に倒すことができた。サイクロイド回転、とかいったっけ?
「ワンセグ機能」で、ケータイを開いたままテレビを横画面で見るための機能。アンテナを伸ばすと、テレビの画質も良くなったり。
<ワンプッシュオープン>
パカパカ開く二つ折りのケータイで、側面のボタンを押すと全開まで一気にパカッと開く。
二つ折りではなく、液晶画面がスライドしてキー部分が出てくる「スライド式」でも、側面のボタンを押すとオープンする機能が。
ボタンを押すと一瞬で開くワンタッチ傘みたいなイメージ。
<ラジオに特化>
ラジオが聞けるケータイ電話、通称「ラジデン」こと、ソニー製の「SO213iWR RADIDEN」。
背面にもラジオ専用のボタンや小型液晶画面などがついており、表は普通の小型ケータイだが、裏面を見ると完全にタダの小型ラジオ。
(中古モックが欲しいのだが、人気があってすごく高いのだ……)
<超コンパクト>
ソニー製の「premini」。重さ69g、高さ90mm、幅40mm。
小型軽量化の果ての果て。手のひらにすっぽりと収まる、まるで細長いマッチ箱のようなサイズ。
可変しないし開かない、まっすぐな板状のケータイを「ストレートケータイ」と呼びました。
<透明ボディ>
東芝製ケータイ「X-RAY」。
その名の通り、ボディは透明な部品で作られているので、内部の基板が透けて見える。見た目はスタイリッシュ。
「透明ボディ」というビジュアル的インパクトを最優先したため、防水性能がまったく無く、水に落とすと本体内部に入った水滴まで透けて見えたという。
<デュアルオープンスタイル>
二つ折り式で、縦に開けば普通のケータイ、横に開けば横画面のワンセグテレビを見ることができた。
縦にも横にも開くことができる機能とか、脇のヒンジや回転機構とか開発に苦労したんだろうけど、考えた人スゴイ。
<セパレートケータイ>
嗚呼、NTTドコモの富士通製「F-04B」! 欲しかったんだよなー!
単純にスライド式ケータイかと思いきや、ディスプレイ部分を取り外して分離し、キー部分を使ってリモコンのように遠隔操作が可能。
現代で例えるなら、ニンテンドースイッチのようにコントローラーとモニターが別々でゲームができる、みたいな分割機構があった。
当時、セパレートした方が有効活用できる機能があったかどうかと言われると、疑問。
NokiaとかBlackberryとか、他にも語りたいヘンなケータイはいっぱいあったんだけど、あまりにも長くなりそうなので、ここまで。




