男性の乳首の存在とは
夏の早朝、白いタンクトップのおっさんがシャキシャキと元気にウォーキングしているのを目撃したんです。
汗で肌にぴったりと貼り付いたタンクトップからは、乳首がスケスケで、「朝からイヤなものを見たな……」とテンションが下がりました。
おっさんの乳首スケスケ問題はさておき。
女性の乳首は、赤ん坊の授乳のため。
さて、男性の乳首は、なぜついているんでしょう?
答えは「女性だった頃の名残」です。
母親の胎内で、胎児の体が形成される時、まず「女性の形」になります。
両親からもらうX染色体、Y染色体によって、男女どちらかの体になるかが決まるのですが、基本的には一度「女性の形」になり、そこからさらに女性ホルモンが胎内に分泌されるかどうかで、そのまま「女の子」として生まれるか、それとも体の形成が変化して「男の子」として生まれるか、運命が分かれるわけです。
ベースが「乳首のある体」なので、そこから分岐した男性にも乳首がある、ということになります。
男にとっては必要の無い器官なのに、なぜ淘汰されずに残っているのか……それは逆に「あってもなくてもどっちでもいい存在なので、たまたま消滅していない」のだと思われます。
不思議なことに、人間と同じ哺乳類のネズミは、胎内にいる時は乳首があるのに、オスとして生まれた時には乳腺が退化しており、乳首が存在しないのだそうです。
旧約聖書では、
「神は最初の人間、アダムを造った。アダムがひとりで寂しそうだったので、アダムの肋骨からイブを造った」
ってあるんですけど、科学の見解では、
「女性がベースとして存在し、変化して男性が存在する」
という事実があります。
生物学的に、ヒトの原型が「女性タイプ」で、カスタマイズして変更した複製体が「男性タイプ」である、と。
まだ原始的な生物しか地球上にいなかった頃、自己分裂でコピーして種族の数を増やしていた生命体。
だが、同種族の中で感染する病気が広まると、あっという間に全滅する可能性があるため、種の保存のために、別系統の生命を造り出した。
それが「オス」である、という学説があります。
その学説が本当なら、「オス」は存在を求められてこの世界に誕生したのです。
病気を阻む盾としても、労働力としてもそこそこ頑張るから、もうちょっと、優しくあつかってくれないかな……最近迫害されてばかりなんだ、人間のオスは。




