怖がるのは遺伝子のせい
「夏」という言葉で連想するものは?と聞かれたら、パッと思いつくのは何でしょうか。
海、山、夏休み、風鈴、アイス、スイカ、かき氷、海の家の焼きそば、海の家のラーメン、海の家で定番の足下に砂がジャリジャリしたシャワー……。
しりとりを経由して、後半は「海の家」限定になってしまいましたが。
夏と言えば、「怪談」「肝試し」なども代表的なワードとして入るのではないかと。
思わず背筋がゾクッとするような怖い体験談を語ったり、ブルブルと震えるような恐怖体験で、「涼しさ」を求める方もいるようです。
海外の方に、
「日本人は涼しさを求めて、夏に怪談を語るんだよ」
と紹介すると、
「なんで夏に? トリハダが立つってことは毛穴が締まって体温を逃がさない状態だから、余計に暑くなるんじゃないの? 怖い話をするなら冬でしょ」
と冷静にツッコミが来たり。
世界的に見ると、日本人はどうやら「怖がり」な部類なのだそうです。
2012年のオランダの大学の研究チームの実験では、遺伝子によって「怖がり」なのが決まっているそうです。
アジアの中でも特に日本人は、「不安になりやすい」「恐怖が持続しやすい」遺伝子を約67%以上の人が持っているんですって。
ヨーロッパでは23%、アメリカでは18%、アフリカに至っては8%だそうです。
アフリカの人たちと比べると、日本人は7倍近くも「怖がり」……というデータです。
そして、アフリカの人たちは何事も楽観的でポジティブに捉える「楽観遺伝子」を多く保有しています。
日本人では、「楽観遺伝子」を持っているのは3%くらいですって。
「怖がる」ということはある意味、生き残るために必要な能力とも言えます。
たとえば、原始時代。
クマに襲われた人間は、クマを見ただけで恐怖を覚えます。
襲われても学習せず、遭遇しても逃げない人間はクマに襲われて淘汰されていき、「恐怖で逃げた人間」の方が生存確率が上がり、遺伝子を残していくのです。
危険を排除し、リスクを考えて行動するのは、臆病ではなく、慎重と言えます。
近年では、ゲノムデータの分布解析というのも進んでおり、日本の都道府県の中でも「怖がりの遺伝子」のランキングがあるんですって。
日本中で、「不安になりやすい」「恐怖が持続しやすい」遺伝子が一番多いのが青森県、ということも分かっているそうです。
ちなみに2位が長野県、3位が鹿児島県、4位が高知県、5位が栃木県……私の出身県は5位以内に入っていない!
あー良かったー! 不安だったんです……って、あ。
こんな不安な気持ちも遺伝子のせいですかね……。
私には「楽観遺伝子」は無いのかな……。
不安に襲われたら「どうせこれも遺伝子のせいでそう思わされているだけなんだ!」と思うと、自分個人は関係ないような気がして、少しラクになるかもしれません。
今、そう思い込むことにします。ええい遺伝子め!




