名より実を取った男?
前回でキューピッドについて取り上げましたが、1969年、アポロ11号が人類初の月面着陸に成功し、その時に設置された月面モジュールの名前は「エンジェル」だったそうですよ。
夜空を見上げれば、遙か頭上の月面で、「エンジェル」が佇んでいるんです。
粋なネーミングですねえ。
さて、これから紹介するのは月面での都市伝説。
信じるも信じないもあなた次第、です。
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大なる飛躍である」
宇宙飛行士のニール・アームストロングは、月面に第一歩を踏み出し、こんな有名な言葉を残しました。
アメリカによる月面着陸の成功はセンセーショナルな出来事で、当時は全世界同時生中継でテレビ放送されたそうです。
今でも「このアポロ計画は捏造で、人類は月になんか行っていない! スタジオに月面のセットを組んで撮影された、まったくのフェイクだ」という陰謀論がまことしやかに囁かれ、映画や小説のモチーフにされたりしていますが、それはさておき。
アームストロングと共に月面探査に降り立ったのは、バズ・オルドリンという宇宙飛行士でした。
実は……アームストロングよりも先に、オルドリンの方が「月面の第一歩」を残した、という噂があるのです。
人類が踏み出す、月面への「第一歩」。
永遠に歴史に名が刻まれる偉業です。
ニール・アームストロングと、バズ・オルドリンは、どちらが先に行くか葛藤があったと言います。
作業のため、二人とも月面には降りるのですが、どっちが「月面への第一歩」を踏み出すのか。
アームストロングは船長でしたが、オルドリンはパイロットという立場。
立場上、文句は言えないのですが、どうしても「月面に降り立った“2人目”」になりたくない、人類初の月面の第一歩を踏みたかったオルドリンは、アームストロングに頼み込みます。
そこで妥協の末に、「世間に公表するのは、月面へ第一歩を踏み出したのはアームストロング、でいい。歴史的な偉業の勲章は要らない。密かに、人類初の第一歩を踏ませてくれないだろうか」とオルドリンは提案し、アームストロングも渋々承諾。
生中継が始まる前に、オルドリンは、先にこっそりと月面に「降りていた」。
そしてオルドリンはアポロ11号に戻り、生中継が始まり、それからアームストロングが「二歩目」を月面に刻んだ……全世界が「人類の偉大なる第一歩だ!」と喝采を上げる中、アームストロングとオルドリンの胸中には、別の感情があった、という……。
リーダー的な資質がありながら「いいよいいよ、俺なんか。お前やれよ」と、主導者のポジションを譲ってくれるような謙虚さを持つ人は割と世の中にはいますが、この月面の場合、「譲った」のはどちらだったのか。
私が聞いた話では、「NASAには、アームストロングとオルドリンが、どちらかが先に降りるか口論の様子が録音されたテープもあるが、アメリカが公表を許さない」のだとか……。
既にお断りしたと思いますが、「信じるも信じないもあなた次第」です。




