真夜中のラブレターは読み返せ
ここのような小説投稿サイトにアップする原稿は、みなさん、いつの時間帯に書いているでしょうか?
早起きして、朝? それとも昼、あるいは夕方? 日が沈んでからでしょうか?
今回のエッセイは、文章を書く時間帯の話。
夜更かししている時に、ちょっと書き始めたら気持ちが昂ぶり、妙なテンションになってガーッと一気に文章を書き上げて、翌朝冷静な頭で読み返してみたら、
「なんでこんな恥ずかしいことを書いてしまったんだ……」
と、後悔したことはないでしょうか。
これは「真夜中のラブレター現象」と呼ばれるそうです。
(命名者は不明ですが、ロマンチックですねえ)
好きな人を相手に、自分の想いを伝えるための文章を書いていたつもりが、単なる「自分語り」の長文になり、超・長文になり、超・超・長文になり……。
翌朝、自分で読み返してみたら、悶死寸前のクソ恥ずかしいポエムを連発しており、その紙をビリビリに破るのです。あの頃の俺ー!
……ぱたん。
忌まわしき記憶の扉が開きそうになったので咄嗟に封じましたが……誰しも経験があることかと思います。ありますよね? ねっ?
とぼけないで正直になりましょう。
さて、真夜中に文章を書いていると、どうしてハイテンションになってしまうのか。
それは「自律神経」が関係しているのでは、と言われています。
昼間は、交感神経が働いて、体は活動的になる。
逆に、夜は副交感神経が働いて、リラックスする。
夜間に働く副交感神経の影響で、理性が抑制され、感情が優位に立ち、その結果、ありのままの姿を見せてしまうというわけです。
脳が興奮して、本能のままに書き綴ってしまったものを、相手に見せてしまったら後悔必至!
なので、真夜中に書き上げた文章というのは、ひと眠りしたあと、翌朝にもう一回読み直しましょう。絶対に。
人生に汚点を残さないためにも!
大人になってから「あの時のアナタの文章ってばさぁ、ホントにもう傑作で……」と笑いのネタにされないためにも!
あーあ、タイムマシンがあったらなぁー! ドラえもーん!
……ぱたん。(開きそうになった忌まわしき記憶の扉を封じる音・本日二度目)
現代ではツールも発達し、手書きのラブレターなんて時代遅れかもしれません。
メールやLINEなどで、短い文章で簡潔に気持ちを伝えることができます。
なので、失敗する機会は減ったのかもしれませんが、「書いたメッセージをすぐに送れる」というのはある意味、「冷静になって自分自身で読み返し、添削するタイミングを失っている」ことの裏返しということを、十分に覚えておいてください。
うん、まあ、気心の知れた相手なら、真夜中のLINE、勢いや感情の赴くままにメッセージを送り合うのも、「本当の気持ちの確認」なのかもしれませんけどね。
ちなみに今回のエッセイは夜中に書いております。一応読み返して確認していますが……。




