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【感謝!4万PV突破!】雑に学ぶと書いて雑学 ~昨日より今日の自分が少し賢くなるかもしれない~  作者: 雲条 翔


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ギロチンの発明者は「ギロチンさん」ではない

 ギロチンという処刑道具は、ギロチンという名前の人が発明したから、そういう名前になった……と思っている人が多いかもしれませんが、実は違います。


 16世紀、罪人が処刑される際には、斧や刀を持った処刑人が首をはねるといった方法を取っていましたが、処刑人の腕によっては、一撃で絶命させることができない場合もありました。


 腕前が未熟な処刑人の時は、罪人は首に大ダメージを負いながらなかなか死ねず、悲鳴を上げて苦しむことがあったようです。

 リアルにイメージしてみると……そんな死に方したくないー。うぎゃー。

 

 腕の良いベテラン処刑人を雇うことができたのは、裕福な貴族の家族などであり、庶民が罪を犯した場合は、費用が安く済む、腕が未熟な処刑人しか雇うことができなかった……。


「死ぬ時も人は平等であるべきだ。貴族も庶民も、処刑される人は苦痛を覚えず、一瞬で楽になれる処刑法はないか」と、フランスのジョゼフ・ギヨタンという医者が考えました。

 医者であるギヨタンは「人が苦しまないように」という考えがあったのです。


 ギヨタンが議会に提案し、外科医であり設計士のアントワーヌ・ルイという人物に相談しました。


 そこでルイが考えたのは、「処刑される人の頭部を下の方で固定し、落下する重い刃で斬首する」仕組みです。

 現在の断頭台の原型ですね。


 その設計を元に開発された装置は、フランス語で「ボワ・ド・ジュスティス」と名付けられました。「正義の柱」という意味です。

 

 一部の間では、設計者のルイの名を取って、「ルイゾン」「ルイゼット」という通称で呼ばれることになります。


 しかし、最終的に広まったのは、装置を考案したギヨタンの名でした。

 一般的には、装置の発明はギヨタンの功績とされ、装置の名前として「ギヨティーヌ」という名が浸透したのでした。

「ギヨティーヌ」は「ギヨタンの子」という意味です。


 フランス語の「ギヨティーヌ」、それを英語読みしたものが「ギロチン」です。


 ギヨタンは「処刑道具に自分の名前を残したくない。一族の名誉のためにも、どうか処刑道具に別の名前をつけてほしい」と訴えましたが、叶いませんでした。


 結果、自らの姓を、別の名前に改名しています。


「ギロチンの発明者は、自らギロチンで処刑されることになった」という都市伝説がありますが、それは誤りです。

 ギヨタンもルイも、最期は病気で亡くなっています。


 道具や物事の名前には歴史があり、自分由来の名前がついたとしても、必ずしも名誉なこととは限らない……という一例です。


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