パンプキンは「カボチャ」ではない?
10月31日は、ハロウィンのお祭り。
お化けの仮装をした子供たちが近所の家を訪れ、
「トリック・オア・トリート!」
と唱え、お菓子をもらったりする風習や、カボチャをくり抜いて明かりを灯す「ジャック・オー・ランタン」を飾ったりするのが現地での主なイベントなので……渋谷でコスプレして馬鹿騒ぎをするお祭りではないのです、ということを強調しておきます。念のため。
元々、ハロウィンの起源のイングランドでは、カボチャではなくカブを使っていたらしいですね。
日本で言う「お盆」のように、先祖の霊が家族に会うためにやってくるイベント。
カブをくりぬいて明かりを灯して、霊が迷わないようにしたとか。
中には悪霊も来るので、悪霊にイタズラされないように、自分も悪霊のような格好をして「仲間」だと思わせた……そのために、カブで「仮面」を作った、というのが仮装の始まりです。
この行事がアメリカに伝わった時、カブが手に入りにくいので、10月の終わり頃に入手しやすい「カボチャ」で代用し、そちらの方が広まって一般化したようです。
さて、イメージとして、ハロウィンの時には「オレンジ色のカボチャ」が浮かびますが、これを「英語で何というでしょう?」と尋ねたら「パンプキン」と答える人が多いと思います。
そこまでは間違いではありません。
ですが、逆に「パンプキン=カボチャ」だと思いがちですが、カボチャ全体を指す言葉は「スクワッシュ」。
「パンプキン」というのは、オレンジの表皮をした「カボチャの種類のひとつ」だけを意味します。
日本語を覚えたての外国人が、「あまおう」や「とちおとめ」という単語を「イチゴ」の別名だと勘違いしていたら、「それはイチゴの種類の名前だよ」と訂正してあげたくなると思うんですが、それと似たような勘違いをしている、というわけです。
「パンプキン」って俗語でも使われるんですが、英語で「パンプキンヘッド」というのは「頭空っぽのマヌケ野郎」を意味するとか……。
あまり良い意味で使われないみたいですね。
英語圏だけではなく、悪口として「カボチャ」が使われることが多いらしく、日本語でも蔑称として「ドテカボチャ」と呼んでいた時代があります。
ナスの「おたんこなす」とくっつけて「やーい、みそっかす、おたんこなす、どてかぼちゃ」とか、昭和のドラマとかアニメでは、小学生がクラスメイトを馬鹿にする描写で、口にしていたような。
味噌とか茄子とかカボチャとか、なにやら食品が並びましたが、ナスの「おたんこなす」とか、足が太ければ「大根あし」だとか、ひ弱で色白だと「モヤシっ子」とか、野菜には罪は無いのに、どうして悪口として名前が使われるんですかねえ?
ちなみに日本語で「カボチャ」っていうのは、カンボジアから伝わってきた野菜だから「カンボジア」の発音が変化して「カボチャ」と呼ばれるようになった、という説があります。
漢字で書くと「南瓜」ですね。初見じゃ読めねえー。




