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【感謝!4万PV突破!】雑に学ぶと書いて雑学 ~昨日より今日の自分が少し賢くなるかもしれない~  作者: 雲条 翔


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死神の道具はなぜ鎌なのか?

 黒衣にガイコツの顔、手には大きな鎌……これだけで「死神」と予想がつきます。


 この「誰もが抱くビジョンが統一されている」ってのはすごい発明で、世界中でも、


 ・黒衣

 ・ガイコツの顔

 ・大きな鎌


 というトレードマークさえあれば、一発で「死神」と認知されているのです。


 ガイコツは、人間がいずれ辿り着くむくろのイメージですし、黒色の衣服も葬儀や喪服などの連想、と予想がつくかもしれませんが……でも、なんで「鎌」を持っているんでしょう?


 しかもあんなにでっかいやつを。

 両手持ちで、人間の背丈より大きい鎌。使いづらくないんですかね。

 刃の部分があれだけでかいと、結構重いはずですし。


 刀は「斬る」、槍は「刺す」、では鎌は……えーと、「手前に引いて切りつける」?

 武器としては、ハズレアイテムかもしれません。


「死神」のイメージはタロットカードの十三番目「死」でも図案化されていますが、こちらは黒衣をまとわず、人体模型のような骸骨が、長い大鎌を「下向き」に持っている図が古くから一般的です。

 ホウキで床でも掃くかのように、大鎌の刃の部分を地面に向けて、持っている格好。


 この大鎌は、「scytheサイズ」と言います。

 架空の道具ではなく、広大な土地に農作物を育てる中世ヨーロッパの土地では、麦や牧草を刈り取るために、実際に使われていた農具でした。

 トラクターなどの機械が世に出てきてからは、取って代わられましたが、それまでは人力で大量の作物を刈り取るために、あのような「でっかい大鎌」を使って収穫していたのです。


 農作物を刈り取るための「大鎌」……そこからの発想で、寿命が尽きた人間の魂を「刈り取る」イメージを想像したのだろう、と考えられます。


 死神が持つ「大鎌サイズ」は「デスサイズ」と呼ばれます。


 キリスト教では「魂の収穫者」とされる他、様々な神話にも登場する「死神」。

 神話によっては「最高神に仕える農夫」という異名もあるとされます。


 死後の人間の魂がこの世にさまよい続け、悪霊になったりしないように、きっちりと「魂を刈り取って、冥府へ運ぶ」役割。

 寿命が尽きる=生命が「実り」を終える、魂の「収穫時期」。

 適切に時期を見計らって、刈り取る農夫……そんなのが死神の本来の姿なのかもしれません。


 ちなみに、落語でも「死神」ってのがありますね。


 ロウソクがふっと消えるシーンで終わるため、照明が暗転して、そのまま緞帳が下ろされるという演出の都合があり、必ず最後の「大トリ」に持ってくる演目です。


 この「死神」というのは、日本独自の話ではなく、ヨーロッパの死神の話を聞いた落語家が翻案したものらしいです。



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