うたた寝と居眠りの違いとは?
「春眠暁を覚えず」なんて言いますが、春先のポカポカとした暖かい陽気は……眠い!
眠くなります……。
……。
……。
……ほら、書いている最中だって、ウトウトしてしまうほど!
「春眠暁を覚えず、処々に啼鳥を聞く」
は、七~八世紀の中国の詩人、孟浩然の「春暁」という詩が原典です。
「春は寝心地が良いので、夜が明けたのも気づかず、なかなか目が覚めない。鳥があちこちでさえずる声で目を覚ます」
という意味の文章となります。
そう、「暁を覚えず」なので、「夜ぐっすりで朝起きられないわー、つい寝過ごしちゃう」という使い方は合っていますが、「日中も眠いわー」という時にこの言葉を使うのは、少しズレがあるんですね。
そして、「鳥のさえずる声で目を覚ましている」のなら、結構早起きなのでは……?
鳥がピーチクパーチクと鳴き始めるのって、早朝のイメージがあるんですけど。
余談ですが「朝寝」って、俳句の「春の季語」であるらしいですよ。
ウトウトと睡眠欲に負けて寝てしまう「うたた寝」、似たような言葉で「居眠り」がありますが、このふたつの違いは「姿勢」にあります。
「うたた寝」は漢字だと「転寝」と書きます。寝転がって眠ることです。
「居眠り」の「居」は「いること、座っていること」の意味があるので、寝転がっているのではなく、座った姿勢で寝ること。
「居眠り運転」はあっても、「うたた寝運転」はありませんから。
眠い時はちゃんと寝た方が良いです。
ギネスブックでは、1964年にアメリカの高校生、17歳のランディー・ガードナー少年が264時間(約11日間)眠らなかった記録が残っているそうです。
ただ、不眠実験の途中で、幻覚症状や体調の不良、震え、言語の喪失、無表情、思考力の低下など、正常さを失っていたそうです。
その後、新記録を出すためにチャレンジした人が、見事に記録を塗りかえました。
ですが「このようなことを繰り返していては健康上の被害が出る」と判断し、ギネスブックから「不眠の記録」の掲載を中止したそうです。
眠らないことは、明らかに人体に危険だと分かったのです。
睡眠不足が続くと、心身に大きなダメージを残します。
というわけで、人間として正常さを保っていたい私は、寝ることにします。
おやすみなさーい。




