「マツダ」のスペルはなぜ「MAZDA」?
日本の自動車メーカーの「マツダ」の英語表記は「MAZDA」となっています。
「マツダ」の社名は、会社の創業者・松田重次郎氏の姓でもあるのですが、それにちなむとするならば、ローマ字表記で「MATSUDA」でも良いはず。
なぜ「Z」が入るのか?
理由はふたつあるそうです。
ひとつは、海外販売を視野に入れ、マツダの「TSU」の発音が外国人には難しいので、近い「Z」の音を代わりに入れた、ということ。
もうひとつは……意外なのですが、前回・前々回のエッセイで取り上げた「エジソン」とも繋がってきます。
火を崇める宗教、ゾロアスター教に登場する光と叡智の神、太陽神「アフラ・マズダ」の名前にあやかって「マズダ」部分に近い音を頂いているのです。
だから、あえての「Z」表記。
エジソンも、「アフラ・マズダ」にあやかって、自分で開発した白熱電球の第1号には「アフラ・マズダ」という名前をつけていたそうです。
マツダと海外事業で提携を結んでいる、アメリカの自動車メーカー「フォード・モーター・カンパニー社」。
その創業者であるヘンリー・フォードは、かつて「エジソン電灯会社」の社員であり、エジソンとは良き友人でもあったそうで。
(エジソンに対し「彼は発明者としては一流だが、経営者としてはそうでもない」という苦言を残しています)
ここでもエジソンと繋がってきましたねー。意外なリンク。
恥ずかしながら、私、ゾロアスター教のアフラ・マズダって、小説で登場する「架空の名前」だと途中まで勘違いしておりまして……。
1997年刊行、高見広春のデスゲーム小説『バトル・ロワイアル』の中に、
「光の神、アフラ・マズダ様の御加護を!」
とか言いながら刃物を振りかざして襲ってくる“電波系”な女子生徒のキャラクターがいましてね、私はその小説を読んでいる時は「ああ、こういうイタい子を表現するために、作者が考えた神様の名前なんだろうなあ、でも響きはなんかイイなあ」とか思ってたんですわ。
アフラ・マズダって、インパクトがあって、妙に頭に残る固有名詞だし。
あとで調べたら、実在する宗教の神様の名前だと分かって、自分の無知を思い知らされたんですけどね……。




