競馬中継でゲートが開く音は、足した効果音
競馬のレースが始まる前に、馬たちはゲートに入り、スタートの合図と同時に一斉にゲートが開き、馬は走り出す。
ゲートが開く瞬間の「ガシャン」というゲート開放音。
あれは競馬中継のテレビ放送用に、音響スタッフが足している「効果音」なのだそうです。
確かに、広い競馬場全体に響くような「ガシャン」というデカイ音が実際に鳴っているのだとしたら、ゲートの中、すぐ近くで聞かされている馬たちは大きな音に動揺して、マトモに走れなくなってしまうかもしれませんし。
だとすると、ゲートが開く瞬間にピッタリ合わせて、効果音をつけるスタッフさんの仕事、抜群のタイミングですよね。
失敗はないのでしょうか?
ネットで検索すると、うっかりと「タイミングを間違えて、ゲートが開く前にガシャンって鳴らしちゃった」パターンや、「二回連続でガシャンって鳴らしちゃった」パターンの競馬中継の動画などが出てきたりします。
どうやら、ミスした実例はあるようです。
興味のある方は「競馬 ゲート 音 ズレ」などで検索をどうぞ。
(こういうことを書いておくと、今このページも引っ掛かっちゃうかもしれない)
また、馬が走る時の「パカッパカッ」と蹄を鳴らす音も、テレビ中継用の効果音だそうです。
(個人的には、時代劇「暴れん坊将軍」のオープニングを思い出したりしますけど)
実際の競馬場では、観客席から飛ぶ応援や野次など、やかましいほどの歓声なので、ゲート開放音や馬の走る音をピンポイントで狙ってマイクで音を拾うのは、難しいようです。
だけど、テレビで競馬中継を流しているのに、聞こえるのは「人の声」だけ……なんて、さすがに盛り上がりません。
名実況のいないプロレスやボクシングのようで、味気ないことでしょう。
テレビで競馬中継を見ている人にも、まるで競馬場にいるかのような「臨場感」を味わってもらうために、ゲートの「ガシャン」という開放音や、馬の走る効果音を足して、演出しているのです。
ちなみに、事態が進展しない、決着がつかないことを「埒があかない」と言いますが、「埒」というのは、馬を囲む柵のこと。
馬の柵が開かなければ、馬が出て行くことができず、何事も始めることができない、ということから来た言葉だそうです。
まさに競馬でいう「ゲート」ですよね。
ゲートが開かなければ、レースは始まらない。
こればかりは、効果音ではごまかせません。