西郷隆盛の肖像画は、西郷隆盛本人ではない
教科書に載っている西郷隆盛の肖像画は、イタリア人のエドアルド・キヨッソーネ氏が描いたものだそうです。
西郷隆盛の親族が、キヨッソーネ氏に肖像画を依頼したそうですが、来日したのは西郷隆盛の死後。
しかも、西郷隆盛は写真嫌いだったそうで、写真も残っていません。生前にキヨッソーネ氏と面識があったわけでもない。では、どうやって描いたのか。
キヨッソーネ氏は、西郷隆盛の弟と、西郷隆盛のいとこの顔をモンタージュして、イメージを作り上げたそうです。(顔の上半分は弟、下半分がいとこ)
単純に二人の顔をミックスして完成させたわけではなく、西郷さんを知る周囲の人たちからアドバイスをもらいながら仕上げていったそうなので、大勢の人たちの記憶も混ざっているのでしょう。
「西郷さんはこんな顔ではなかった」という声も、あるにはあるようですが……。
有名な西郷隆盛の銅像も、除幕式の日、西郷さんの奥さん・イトさんが実物を目にして「うちの旦那さんはこげな人でなか」と言ったとか。
銅像を作った彫刻家が、「西郷さんに似た体形の人」を探して、西郷さんとは縁もゆかりもない石澤宏太郎という人物をモデルにしたそうです。
西郷さんが犬好きで、飼っていたのは事実らしいですが、銅像が連れている犬は、実は犬種が違うとか……。
また、本名にあたる諱は「隆永」で、隆盛ではありません。
明治の新政府ができた時、明治政府の役人が確認のために、西郷吉之助(西郷隆盛の通称)と同じ所属の薩摩藩士に、西郷の本名を聞いたところ、間違えて吉之助の父親の名前「隆盛」を伝えてしまい、それ以後、本人も「隆盛」と名乗るようになったと言われています。
パブリックイメージの「ぽっちゃりした体形」ではなく、太っておらず実は瘦せ型だったのではないか、という説もあります。
結局のところ、西郷さんは謎の多い人物のようです。