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第一翔『別れ』

「旅に出てくる。」

と言って僕のお父さんは飛び立った____。






ろう、お前もいい歳だ。

これからは一羽ひとりで自由に生きていきなさい。

父さんは旅に出てくる。」


「…っ!?ど、どうして……?

ぼく、まだお父さんと離れたくないよ…」


僕達は親子3人でずっと、この家でずっと一緒に居た。


つい4日前に母が姿を消すまでは。


「いいか、よく聞くんだ、

この街は人間中心の世界。

つまり、人間以外の種族にとってはとても危険なんだ。

でも外に行けばきっと安全に暮らせる所がある。

父さんが必ず探し出す、

だからそれまでろうはここにいなさい。

このうちももうしばらくは安全だから…」


「じゃっ、じゃあぼくもお父さん一緒に…!」


「すまない、それは出来ないんだ…」


ぼくも連れてって欲しいのに…

ぼくが頼りないからダメなのかな…


「もし半年経っても私が戻らなければ、

その時はお前もここを出なさい。」


そんなの、絶対嫌だよ…

もう誰ともお別れしたくないよ…

でも、お父さんも同じだよねきっと。


「…できるか?」


ぼくがしっかりしなきゃ、


「うん、ぼく頑張るよ…!」


精一杯の笑顔で、そう言った。

お父さんを不安にさせちゃダメだよね!


「よぉし良い子だ、流石は私の娘だな」


「…うんっ!」


できるよ!だってぼくは父さんの子だもん!






ガシャッ…カタッ、カタタタ……


「あれぇ?鳥さんどうしたの?お外でたい?」


鳥籠とりかごに入っているハトは、

その言葉に答えるかのように羽をばたつかせた。


「そうなんだ!じゃあ私が出してあげるね!」


ガシャリ…と鳥籠ケージの扉が開く。

その瞬間だった。


鳩は白い翼を広げ、窓からパタパタと飛び立っていった。


(お父さん…っ)




「あら?銀鳩が一羽いないわ…

ゆうちゃん、鳥さんはどうしたの?」


「えーっとね!さっきね、

鳥さんがお外でたいって言ってたからねぇ〜

ゆうこが出してあげたの!」


「そうだったのねー

でもあと一羽はにがしちゃダメよ、研究に使うからね」

のがしたのが年老いた方でよかったわ…若い方じゃなきゃ私の実験に耐えられないだろうからねぇ…)


「う〜ん……?けん…きゅー…?」


「っあぁ、調べるってことよー

鳥さんのこと、もっといっぱい知って仲良くしたいでしょ?」


「うんっ!仲良くなって、たくさんお話するんだ〜♪それでねそれでね〜っ」


(もう一年もすれば準備も整うはずよ、あとは実験道具を…)


考え事に夢中な母は、勇子ゆうこの話をまともに聞いていない。その様子に、ママ〜ちゃんと聞いてよぉ…と少し寂しそうにする娘だったが、


「ごめんね、お詫びに今日のおやつはケーキにしましょうねー♪」


その言葉を聞いた途端とたん、ぱぁぁあっと目を輝かせた。

第一翔、と書いて第一章って読むんですよ。

少しお洒落ではないでしょうか。あれ、そうでもない?

…とまあ、そんなことはさておき。

次回は異世界に飛ばされる所まで書こうと思っています。

物書きさんって本当にすごいですよね、いざ書いてみてわかったのですがあれだけの量を書き続けるのって相当体力要りますよ。慣れてらっしゃる方なら一日で何万文字も書かれるんだろうなぁ…。

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