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あいがしりたくて  作者: キキイウ
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英雄vs愚者

(どうしてこうなってしまったのか)


男は自分を囲む軍勢に対して思った。


(まぁ私から仕掛けたのだがな。しかしこんなに嫌われているとは。一時は君達を救ったんだがなぁ。まぁ、そんな昔のことは誰も覚えていないか。しかしこの戦場に各国の王が出てくるとは。舐められたものだな。………ところでいつ攻撃してくるのだ。もう夜が明けたというのにな。ここにきて今更怖気付いた訳ではあるまい。)


男がそう思った矢先に、何処からともなく炎の嵐が男を包み天からは雷が矢継ぎ早しに男に降りかかった。その、光景をみて「な、なんだ、思ったよりあっさり終わったじゃないか。あ、あの魔法を受けて生きてるものはい、いないだろう。」誰かが声を震わせながら言った。願望を込めながら、新しく生まれた子供の元に帰れると思いながら。だがそんな夢はすぐ打ち破られた。立っていたのだ。男はまるでなんともなかったように、最初と同じように平然と立っていたのだ。前線を張っている兵士からは動揺が見られた。その、動揺を抑えるかのように「突撃ぃぃぃ!!」と戦場にこだました。動揺を見せていた兵士達だったがその声を聞き覚悟を決め男に向かって槍を突き出し走りながら、円を狭めるように突撃していった。


(少し驚いた。だがあんな時間をかけて作った魔法がこれだけな訳あるまい。もっと大規模な魔法が来るだろう。)


だがそんな思考とは裏腹に軍が突撃してきた。


(彼らが私に向かってくるということは大規模な魔法はないのか?まさかあの遊びが全力なのか?……はぁ。時間は技術を上げると思っていたがまさか衰退していくとは。  がっかりだ。すぐ終わらせるか。)


男と軍勢の距離が100メートルぐらい近づいていくと、男は動き出した。

男が手を振り払うと風の刃が発生した。横幅100メートルあるかのような巨大な刃が目の前の軍勢に向けて放たれた。巨大な刃はまるで紙を切るかのように硬い防具を身につけたもの達の胴体を切り裂いていった。

男の背後から攻めるもの達には突如、炎の嵐が襲い掛かっていった。骨すら残さないその超高温な嵐を前に、なすすべなく溶かされていくもの達、上空から火や水を吐いてくるトカゲには一寸の狂いもなく正確無慈悲な雷光が降ってくる。

男は(これで終わるだろう。私が解除しなければいつまでも襲う魔術だ。)と思った。

その時、さっきまで猛威を振るっていった兵器は無くなった。


(!?なぜだ?何が起こった?)


男の200メートル前には2メートルに達する巨大な剣を持った大男が、後方には杖を持ち、帽子を被った女が立っていた。男の名は、ヴィル•ザーレ。女の名は、インレ•ディーヤ。人間族の英雄だ。そして上空には五頭の龍がいた。それぞれ火龍、水龍、風龍、土龍、雷龍、それぞれ500メートル程のヘビのような体に手が生えたかのような龍がいた。さらに男を囲む、顔がライオンの顔をした男と虎の顔をした獣人族の英雄、レイ、ライ。中性的な美男子のエルフ族の勇者ミライ。Iメートルもない身長だがガタイがいい二人のドワーフ族のガとヴ。頭からねじれた角を二つ生やし褐色の肌をして翼をもった四人の魔族、レイ・アウト•ゼン、レイ・メイト•ガン、双子のレア•マイト•ダル、レア•マイト•デイ。


(なるほど、各国の、英雄達のお出ましというわけか。面白い、やはり戦いはこうでなくては。しかし、奴はきてないんだな。まぁ、いつかくるだろう。まずはこの子達からだな。)


英雄達がジリジリと近づいていき、男を囲むようにしてた体勢は徐々に一列になっていった。そしてその距離20メートルという程になった瞬間、巨大な盾を持ったドワーフ族の英雄ガとヴと共にヴィル•ザーレが飛び込んできた。男は(魔術でもいいがそれでは面白くない)と思い、刀、と呼ばれている業物を鞘から取り出した。

そして巨大な盾を持つガに切り掛かり、あっさりと盾を真っ二つにした。


ガ(むぅ!?我が盾がまるで紙を切るかの如く切り裂かれるとは。だが、一撃は防いだぞ。)


盾を切り裂いた瞬間、ヴィル•ザーレが男に斬りかかった。上段から降ってくる鋭利な鈍器が男に触れる瞬間、ヴィル•ザーレは驚愕した。なんと、男は片手で男の剣を止めたのだ。男は親指と人差し指で挟むようにしてヴィル•ザーレの剣を止めたのだ。咄嗟に後ろに引こうとしたヴィル•ザーレだったが、まるで巨石で挟まれたかのように動かなかった。その時、「ヴィル•ザーレ!!」とヴが叫んだ。その瞬間、ヴィル•ザーレは剣から手を離し後ろに引いた。ヴィル•ザーレの胴体があった場所には男の刀が通過していた。


腹から血をだしながらヴィル•ザーレは(危なかったぜ。ヴの旦那には後で感謝しないとな。…後があればな。ヴの旦那のおかげで切り傷で済んだ。しかし化けもんかよ。世界を滅ぼせるだけの魔術を操るとは聞いていたが、身体能力もやべぇ。皮膚にすら剣が届かないのはひさしぶりだぁ。)


「しかし、どうします?俺の剣やガの旦那の盾までなくなっちゃいましたよ。」

「ワシの盾はともかく、お前さんの剣が奪われたのは致命的だ」


「なるほど、この剣は私を打倒する能力があるのだな」


「!?」「!?「!?」


「どうした?私が言葉を発するのがそんなに珍しいか?」


「ああ、会話が出来るとは思わなかったぜ。なら平和的に話し合いで解決しないか?」


「お前の主や、そこに倒れている雑兵が許してくれるのか?」


「ヴィル!!」

「冗談だよ。ヴの旦那。しかし、その剣は返してくれないか?」


「このなまくらか?いいだろう。ほら」

剣が中を舞い、ヴィル•ザーレの足元に転がった。ヴィル•ザーレは足元に転がった剣を拾いつつ言った。

「……どうして返してきたんだ?」


「貴様が返せと言ったんだろ?」


「お前は言った。この剣にはお前を打倒する力があるかもしれないと。なのになぜそんなものを返したんだ?」


「ふむ。人が親切に拾ったものを返したと言うのにな。理由が欲しいのだろう?なら答えてやろう。理由は、単純さ、貴様らの全力が見たいのだ。」


「俺たちの全力?」


「そうだ。貴様達の全力だ。だから後ろでコソコソしている連中に時間をやっているのだ」


「チッ、なら、お前にとってこの戦争はなんだよ!お前はこの戦争を遊びだと思ってるのか!?」


「戦争?戦争か!?くっくっくっ、あははははは。私にとってただの虐殺だ。私がただ楽しむためだけに貴様らに喧嘩を売っただけだ。それを戦争とは。くくく、とても面白い発想だな」


「お前ぇぇ!」


「待て、ヴィル!!落ち着け!相手の挑発による乗ってはいけない」

「しかし、旦那!昨日まで夢を語らった仲間をただの遊びで殺したんだぞ!?」

「お前の言いたいことはわかってる!だが、今は死んだ仲間のためにあいつを殺さないといけない!そのためには一旦、冷静になれ」

「くっ!」

「それに、準備は整った!!」


「ほう、準備は整ったのか。それで?そこに浮いてるハエやただでかいだけのトカゲと後ろの雑魚に、何ができる?」


そう男が言った瞬間、インレ•ディーヤが「力を与えておくれ」と叫んだ。瞬間16の英雄達が淡い光に包まれた。


「なるほど、身体強化の魔法か。だが速さや力が増えたって私には勝てないぞ?」


男がそう言った瞬間、巨大な岩が襲う。男は難なく岩を切ったが、そこにヴィル•ザーレが、飛び込んでくる。


「また同じことをするのか?」


男が言い、また剣を掴もうとすると地面が割れた。バランスを崩した男に対して今度は素早くヴィル•ザーレの剣が薙ぎ払う。バランスを崩した男だがそんなことお構いなしにまた、剣を掴む。


「いくら私のバランスを崩したところで力がなければ私を切ることはできないよ?」


「ああ!わかってる!」


ヴィル•ザーレがそう言うと男のうしろからレイ、ライが切り掛かってくる。二人の英雄は二刀流。レイが二つの刃を男の腹めがけて切り込むが、男はそれを刀で受け止めるが、ライの攻撃を肩に受けた。ライは肩から切り裂くように斬りかかったがその刃は男にかすり傷をつけるだけだった。

ライ(ニャンだこの化け物は?完全に切ったと思ったのにかすり傷だけとはニャ)


男は片手で受けていたヴィル•ザーレの剣を彼ごと持ち、後ろにいるライにぶつけた。そうして刀で受け止めていたレイには力まかせに刀を振りレイを、吹っ飛ばした。

ヴィル•ザーレと共に吹っ飛ばされたライはすぐさま体制を立て直しからかから。レイは男の刀を剣にうけ手が痺れしまい。痺れが引くまでに少しかかったが、再度男に斬りかかった。









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