表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/107

4  女神さま 3

 魔獣(まじゅう)、 それにダンジョンか。なかなか大変な世界なのかもな。


 ちょっと浮かれていたが気を引き締(ひきし)めたほうがいいよな。――よしっ!


 「それでは、付与するスキルに何か希望はございますか?」


 「あっ、はい。その前にもうひとつ、言葉などはどうなるんでしょうか?」


 「言葉に関しては言語理解が身体(からだ)に組み込まれますので問題ありません。共通言語のほか亜人族言語(あじんぞくげんご)もカバーできますし、文章も特殊(とくしゅ)なもの以外は読むことが出来るでしょう」


 「組み込まれる?」


 「はい、高月様の身体(ボディ)はこちらでお(つく)りしますので、そのボディに標準(ひょうじゅん)で設定いたしました」


 お造りって、魚じゃないっつーの。


 俺の身体っていったいどーなっちゃうの?


 大丈夫だよね。ちゃんと人間ですよね。(汗)


 「はい、大丈夫ですよ。身体的にも(ゆる)やかに老化していくはずです。もちろん、生理面(せいりめん)()いてもまったく問題ありません。しかもこのボディは病気や状態異常(じょうたいいじょう)に耐性を持ちますので、普通の人間に比べかなり丈夫になっています」


 今、サラッとすごいこと言ったよね。それに俺の心(・・・)読んでます?


 「はい、今のあなたはいわゆる(たましい)だけの状態ですので。それはもう……」ニッコリ。


 それってマジ! マジなのか。わっちゃー、いろいろすいませんです。(汗)


 「いえいえ、以後気をつけていただければ。それから身体が新しくなりますので、それに合わせて年齢も若返ります。これについては現地で確認なさってください」


 「それでは希望をお聞きしていきますね」


 「じゃあ、まず鑑定ってありますか?」






 こんな感じで話が進んでいき、俺は3つのスキルと『女神の加護(かご)』を手に入れた。


 それに当座(とうざ)の生活資金と、旅に必要な身の回りの品を頂くことになった。


 そしてなんと、


 女神さまにお会いしたい時にはユカリーナさんが(まつ)られている教会にシロを連れて訪ねよとのこと。


 さすれば、短い時間ではあるが話をしたりアドバイスなどもできるそうだ。


 ただ、直接の干渉(かんしょう)は出来ないみたいだね。


 まぁ、主役は聖獣(せいじゅう)のシロちゃん。俺はおまけ(・・・)みたいなものだしね。


 なんか俺って『ひも』まっしぐらじゃん。


 シロのひもで『白紐』か。なんか弱そうだな。(笑)


 「それでは、すべての準備(じゅんび)が整いました。転生シーケンスを開始いたします。高月玄たかつき げん様、シロさんと一緒に、どうぞこの世界を楽しんでくださいね」


 女神さまは優しい笑みを浮かべ、手を振りながら見送ってくれた。


 ――女神さま、どうもありがとうございました。


 シロは聖獣(せいじゅう)だから、たぶん俺のほうが先に旅立つことになるけど。


 それまではずっと一緒にいよう。


 (そば)()でてあげよう。


 お前にもらったこの命、精一杯(せいいっぱい)生きてやるからな。






 だんだん意識が遠のいていき…………。


 (さわ)やかなそよ風にあてられ、ゆっくりと覚醒(かくせい)していった。


 森で目を覚ました俺は、シロをもふりながらステータスの確認をしようと試みていた。


 「う~ん、どうしたらステータスが見られるようになるんだ? シロ、何かわかるか?」


 シロは()せの体勢ままで ワン! と一()えしただけで、ブンブン尻尾を振っているだけだった。


 俺は右腕を正面に伸ばし(てのひら)を開きつつ、


 「ステータスオープン!」


 そう叫んでみるも。まったくもって変化なし。


 自分でも少し恥ずかしくなりシロの背中に顔を(うず)めてしまった。


 「はぁ、わからん? 何でじゃ~」


 ここ30分ほどいろいろとチャレンジしてみたが、どんどん黒歴史(くろれきし)が積み上がっていくばかり。


 「あぁ~もう、止めだ止め!」


 俺はその場に立ち上がった。

 「たぶん、こっちだな」

 『んん~』と伸びをしたあと、


 「よし、シロ行こう!」


 お座りしているシロに声を掛け。バッグを肩に担ぎ、森の中を歩き始めた。


 「西の方角に行けば森を抜け、その先に街道(かいどう)が通ってるからなんてこと女神さまが言っていたよな」


 (つぶや)きながらも、太陽の位置を確認していく。


 俺たちは森の中をゆっくり進み始めた。






 西の方角は森の中にしては割と(ひら)けていて容易(ようい)に抜けられそうだ。


 「この獣道(けものみち)辿(たど)っていけば良さそうだな」


 シロは、たまに止まっては後ろを振り向き、俺が追いつくのを待って、また軽やかに進んでいく。


 そうこうしてるうち、1時間ほどが経過しただろうか。


 森の終わりが近づいたのか、周りが少し明るくなってきた。


 「おっ、だいぶ明るくなってきたな。そろそろ森を抜けられるのかな」 


 呟くように言っている間に森を抜けきっていた。


 目の前には大きな草原が広がっている。


 そして、その草原を横切るように一本の街道が通っているのが見えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on挿絵(By みてみん)
プチ プチ(。・・)σ|ω・`)ノ おっ押して。押して~!
小説家になろう 勝手にランキング
シロかわいい! と感じたら押してください。シロが喜びます。U•ɷ•)ฅ
挿絵(By みてみん)
作:管澤捻 さま (リンク有)
挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ