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2  女神さま 1

 んんっ、なんだぁ? 夢か! いや何か違うような……。


 これって、もしかして俺は死んだのかな。


 するとここは天国か? でもないような感じだが。


 まぁ、せっかく目の前に綺麗な方がいるのだから、いろいろと聞いてみようかな。


 「確かに俺は高月玄(たかつき げん)だけど。あなたはどちら様ですか?」


 と率直(すなお)(たず)ねてみた。


 すると、その女性はニコニコと微笑(ほほえ)みながら、


 「これは大変失礼いたしました。わたくしは、こちらの世界を管理しております女神の ユカリーナ・サーメクス と申します。これからの事も含めお話しさせて頂きますので、どうぞ そちらにご着席ください」


 再度、座るように笑顔で(うなが)された。


 まぁ、立っていてもしかたがないかな…… あれ、俺って今 立って歩いてるよなぁ。


 えっ、なんで? (たましい)の状態だからなのか? ――まあ、今はいいや。


 そして、俺はテーブルまで歩き椅子に腰掛けた。すると女神のユカリーナさんも向いの椅子へ着席する。


 改めて、女神のユカリーナさんを見てみると、何というかすごく綺麗なお方だ。


 髪は透き通るような銀髪で顔は小さい。鼻筋(はなすじ)は通っており目は薄い金色、まさに女神さまって感じだ。


 少なくとも俺は、今までこんな美人と出会ったことなどない。


 しばらくお見合いよろしく、ぼーと女神さまを(なが)めていると、


 「えっと、よろしいでしょうか」


 困り顔でユカリーナさんが告げてきた。――おっといけない。


「あっ、はい! すいませんお願いします」


 何をお願いするのか知らないが、そう答えてしまった。






 困り顔からにっこり笑顔へ変わった女神さまは静かに(かた)りはじめた。


 「まず、薄々はお気づきでしょうが、高月様はすでに亡くなられております」


 『あ~やっぱりなぁ』


 「このままでいますと、アース(地球)において(たましい)浄化(じょうか)をおこなったあと、輪廻(りんね)して新たな者に生まれ変わるという流れになります。 ここまでは(よろ)しいですね?」


 「はい 理解はできます」


 と俺。そうなのかぁ、天国とかはないんだなぁ。


 まぁ、それほど悪い人生でもなかったよなぁ。心残りもほとんどないしなぁー。


 ……って『パソコン』! ――あっちゃ~。


 いろいろと拙いが……、見られることもないだろ。うん。


 「たっ、高月様。高月様!」


 おおっと、いけない。ついつい物思いに(ふけ)ってしまった。


 「す、すいませ~ん」


 ――頭をポリポリ。


 「それでなのですが、今回 高月様には地球での輪廻(りんね)か、こちらの世界での転生(てんせい)か選択する権利がございます。もちろん、どちらを選ばれるのもあなたの自由です。そのあとのことに関しても何も支障(ししょう)はございません」


 「えっマジで!」


 「ええ、本当マジです」


 「なんで? 皆さんそうなのですか?」


 「いいえ、今回はかなり特殊なケースです。そうですねぇ……、(たましい)が選ばれたと申しましょうか、召喚に応じてくれた魂がございまして。そちらの方の影響(えいきょう)なのです」


 「えっ俺、俺のことですか!?」 ――自分を指差す。


 「残念ながら、あなたの事ではございません。高月様が亡くなるまで、あなたを守護(しゅご)されていた『シロさん』の影響です」


 「し、しろ? 何だそれ。えっ、それって もしかして、犬のシロですか!」


 「その通りです。このたびシロさんは聖獣(せいじゅう)フェンリルへと昇格転生(しょうかくてんせい)いたします。それゆえ、こちらからの召喚(しょうかん)に応じて頂いたのです」



 そうだったのかぁ。シロは俺の守護霊(しゅごれい)として、ずっと傍で見守ってくれていたんだな。


 ああぁ、なんか泣けてきたよ。


 ありがとうシロ。(ろく)な飼い主でなかったのに、ごめんなぁ。


 「じゃぁ、シロはどこですか? どこに居るんです?」


 と言ってキョロキョロと周りを見回したが、ここには雲のような(かすみ)のようなものが(ただよ)っているだけ……。


 すると女神さまは笑顔で、


 「もう、シロさんはこちらの世界へと、すでに転生されております」


 そしてさらに、


 「シロさんは高月様のことをここを発たれる最後まで心配しておいででした。そして、『願わくば、またお会いしたい。一緒に暮らしたい』と、わたくしに懇願(こんがん)されていたのです。今度(こたび)こそは最後まで守り通すと(おっしゃ)っていましたよ」



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script?guid=on挿絵(By みてみん)
プチ プチ(。・・)σ|ω・`)ノ おっ押すな。押すな~!
小説家になろう 勝手にランキング
シロかわいい! と感じたら押してください。シロが喜びます。U•ɷ•)ฅ
挿絵(By みてみん)
作:管澤捻 さま (リンク有)
挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
シロからそんなこと言われたらゲンも飼い主冥利に尽きますね 。 泣いてまうやろ(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)✨
[良い点] シロちゃんが可愛くてグッドです♪
2022/05/15 14:17 退会済み
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