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1  シロと一緒

こちらは初作品になります。多少読み辛いところもございますが、気がつけば修正をおこなうようにしております。どうか最後までお付きあい頂けますよう宜しくお願いいたします。 マネキネコ φ(ΦωΦ )



 んんっ。なんだ、どうした? 


 (まぶた)を開くと 目の前には青々とした草木が生い茂っている。


 その隙間(すきま)からは日の光が差し込んできており青空がほんの少し(のぞ)いていた。 


 どうも森で寝ていたようだ。(さわ)やかな風が頬を撫(ほほをな)でていく。


 少し肌寒(はだざむ)い感じだ。


 ……俺はどこに居るんだ。何故こんな所で寝ていたんだ。


 などと考えを(めぐ)らしていると、こちらを見ている視線があるあことに気づいた。


 その視線の先に目を向けると、そこには一匹の白い犬が居て、お座りしてこちらを見つめていた。


挿絵(By みてみん)


 えっ、犬? 白い毛色に中型犬ほどの大きさかな。


 俺と視線が合い、認識されたのが嬉しかったのか尻尾をブンブン振っている。――とても可愛い。


 俺はその場で身を起こすと、座ったままでその犬と向かいあった。 そして気付いたのだ、


 「おまえって……、もしかして ”シロ” なのか?」


 「ワン!」


 白犬は『そうだよ♪』と言うように一吠えして答えてくれた。


 尻尾もブンブンちぎれんばかりだ。


 俺は嬉しくなって、たまらず呼んでしまった。


 「シロ。おいでっ!」


 するとシロはトトトトッと俺の膝元(ひざもと)まで寄って来てくれた。


 そして伏せの状態になってくれたシロに、


 「そうかシロなんだな。そうか……」


 声を掛けながら両手でモフりまくっていた。


 近くで見てみるとやっぱりシロだ。


 赤い首輪こそしていないが真っ白な毛並(けな)み、黒いけど先のほうが少しピンクがかった鼻、片方だけが()れている耳、(きわ)めつけは鼻の少し上にある傷だな。


 この傷は散歩中に誤って道路に飛び出してしまい、走ってきたオートバイに()ねられたときのやつだよなぁ。


 あの時はグッタリしていてもうダメかと思ったんだけど、


 「シロがんばれ! シロがんばれ!」


 ずっと抱きかかえて声を掛けていたら復活してくれたんだよなぁ……。


 13年も飼っていたのだ。


 その当時のことをいろいろと思い出して少しホロっとなってしまった。


 「さてさて、これからどうしたものかな」


 シロをやさしくもふりながら(つぶや)いてみる。


 ここに(いた)るまでの経緯(けいい)を少しずつ思い出していた。






 俺の名前は高月 玄 (たかつき げん) 55歳。


 訳あって長いあいだ『自宅警備員』を続けていた。


 その訳というのも10年ほど前のことだ。


 初めは歩き難い、階段が昇り辛くなったといった感じだった。


 しかし、日を追うごとに足は動かなくなっていった。


 これはオカシイだろうと思い近くの病院に行ってはみたのだが……。


 そこでの診断結果(しんだんけっか)は『腰痛(ようつう)からきていますねぇ』と只それだけだった。


 昔からの持病で腰痛を抱えていた俺は、その診断を鵜呑(うの)みにしてしまい、馴染(なじ)みの整体院(せいたいいん)などに通いながら日々を過ごしていた。


 しかし、病状が好転(こうてん)することはなかった……。


 それから1ヵ月が過ぎ、ただ座っていることですら保てなくなってきた俺は家から少し離れた大きな総合病院(そうごうびょういん)(たず)ねてみることにした。



 「おそらく首から来ていますね。MRIにかけて詳しく検査してみましょう」



 結局そのあと手術を受けることになったのだが、残念なことに足に麻痺(まひ)が残ってしまった。


 その為、車椅子(くるまいす)での生活を()いらる結果になってしまったのだ。


 まあ、何が言いたいのかというと『セカンドオピニオン』これはすごく大事なのだ。


 早く他の病院に掛かっていれば ここまで不自由になる事はなかったのだ。


 大事なことなのでもう一度言っておく、


 『セカンドオピニオン』 おかしいと思ったら迷わず他の医療機関(いりょうきかん)へ。 






 その日も買い物にでた俺は、徒歩だと10分程の距離にある ショッピングセンター・イヲン をめざし車椅子を走らせていた。


 もうすぐイヲン。西口の階段が見えている。


 道路を渡るため信号待ちをして、青に変わったので横断歩道を渡りはじめた。


 しかし、そこからの記憶がないのだ……。


 ふと目を覚ますと、そこにはただ真っ白な空間が広がっていた。


 ところどころに雲のような(かすみ)のような物が(ただよ)っている。


 身体の感覚(かんかく)もどこかおかしい。


 なにかフワフワした感じだろうか、なんとも形容しがたい不思議な感覚なのだ。


 『俺は買い物に出ていたはずなのだが、ここはいったい何処(どこ)なんだ?』


 さらに考えを(めぐ)らしていると突然(とつぜん)目の前に白木(しらき)のテーブルが音も無く現れた。椅子も向こうとこちらで2(きゃく)現れている。


 さらにテーブルの上には紅茶? の入ったカップが2つ。()れたてのようで、湯気がほのかに立ちのぼっている。


 しかし誰も居ない。俺はその光景を(なが)めながら呆然(ぼうぜん)(たたず)んでいた。






 するとそこに、突然 辺りが(まぶ)しい光に(おお)われてしまう。


 そして、一瞬にして美しい女性が俺の前に姿を現したのだ。


 その女性は俺に向かって優しく微笑むと、


 「高月玄 (たかつき げん) 様ですね。今から事情を説明させて頂きますので、どうぞ そちらの椅子にお掛けください」


 と、丁寧に(うなが)してきたのである。



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script?guid=on挿絵(By みてみん)
プチ プチ(。・・)σ|ω・`)ノ おっ押すな。押すな~!
小説家になろう 勝手にランキング
シロかわいい! と感じたら押してください。シロが喜びます。U•ɷ•)ฅ
挿絵(By みてみん)
作:管澤捻 さま (リンク有)
挿絵(By みてみん)
― 新着の感想 ―
始まり方が斬新ですね。 挿絵のシロ、可愛いですね(๑˃̵ᴗ˂̵) モフりたい♪
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