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試験の結果

 約6年後


 今日は各国で4校しかない魔法学院の入学試験の日だ。


「ここがスカイ学院か、流石の広さと人数だな」

「まあこの学院で何処かの男性と仲良くなりたいという女が沢山いるからね」

「鳥肌ものだな」

「トウヤ兄様は私達がついていますよ」


 ざっと魔力を感知してみた所、千人位はいるだろう。試験は3日かけて行われる為受験者は更に多いはずだ。


 その中からたった160人しか合格しないので倍率は凄いことになっている。


 試験は筆記と実技、ついでに使い魔召喚がある。


 使い魔召喚はいわゆる参加賞みたいな感じで全員に使い魔を召喚する機会が訪れる。


 これがなかなかに人気があり一部の人はわざわざ使い魔召喚の為に高い受験料を払っている者もいるらしい。というかほとんどの人がそうだろう。使い魔を呼び出すのは魔法を使わない為男性でも使役可能なので毎年多くの男性が使い魔目当てでここに来るのだとか。


 僕たちは飛び級でこの試験を受ける為、同年代がいない、寂しいといえば寂しいが眷属がいない分シノンとシオンの方が寂しいだろう


「試験会場はこの先みたいだね」


 筆記は各教室で、実技はグランドで行われて、使い魔召喚は特別教室で行われるようだ。


 僕らは受験番号を確認しながら試験を受ける教室を探す。どうやら2人とは別の教室らしくひとりで教室に入った。途端に視線を集めるが、なるべく気配消しつつ素早く自分の席に座り試験開始の時間を待つ。


 忘れてた、ここは男性目的の人もいるんだった。


 テストの問題用紙と解答用紙を配られ試験監督の人が合図をして試験が始まる。


 ええっと、なになに?


 この世界では魔王が世界を支配することで長い間争いは起こらないようになっています。これは魔王が創ったルールがあるからである。そのルールで戦力に関わるルールを答えなさい


 これは男性の魔法使いの人数だったはず、男性の魔法使いは基本、本人だけでなく子供も優秀なものが多いからである。後は教育機関かな、魔法学院は4校しか造れない


 魔法の強さを表す単位は、級で表され数字が小さくなるにつれ難易度が上がる。が、例外として数字ではなく文字で表させるものが五つある。聖級、魔級、超級、特級とあとひとつは何か答えなさい


 確か、これは神級だったな、名の由来は神しか使えないからのはず、あくまでこの世界の神って意味だけど僕も使えないのでどの世界でも神は凄いのだろう


 世界で魔法が使える者の比率を男女別で答えなさい


 男性が百万分の一で女性が十分の一だったはず


 世界にある魔剣と聖剣の数を答えなさい


 魔剣と聖剣は特別な効果がついた剣で魔法を補助したり、特別な効果があったりする剣のことである。聖剣は特別な人間にしか使えない剣で魔剣はこの世界の魔王クラスの魔族なら産み出せる剣だ。


 ほかにもこういう類いの剣は種族ごとにあるがとりあえず問題を解かないと聖剣は三振り、魔剣も三振りだったかな


 因みに聖剣は壊れたことがないが、魔剣は持ち主が死ぬと壊れ、持ち主が現れると持ち主が産み出せる


 この位の問題なら大丈夫だな



 次は実技試験か


 2人とお昼を済ませてから僕は1人でグランドに来ていた。グランドは2つあった為ここにいないとなるとシノンとシオンは別のグランドなのだろう


「これから魔法込みの試合を試験官として貰う、それの出来を見て合否を決めるそれでは25人ずつ始め!」


 グランドはかなり広いので25試合を一気に出来る。


 ここには500人いるけど20回もやるのか?試験官大変だなぁ。いや使い魔目当ての男性は棄権するから実際はもっと少ないのかもしれないけど。


 そう思いながら順番待ちをしながら他の人の試合を見ていたが、大体1試合5~15分で平均10分で終わったらすぐさま別の受験生と試験官が出てくる。試験官は3人でローテーションを回していた。


 因みに実技の待ち時間が長い人は先に使い魔召喚をやることが出来る。


 おっと次は僕の番か


「始め!」


 構えるとすぐに合図が聞こえた。


 合図と同時から数秒で相手は十数㍍の距離を詰めてくるが


 遅いな


 軽くいなして首トンと同時に無詠唱で闇魔法のマインドショック精神麻痺(マインドショック)で気絶させる。


 まあ、こんなものか


 審判が「勝者、トウヤ・ロローシュ」と言うのを待ってから試験官を起こす。


 さて、これなら流石に入学出来るだろう


 最後に使い魔召喚があるがそれは明日でもいいらしいのでシオンとシノンと一緒にするつもりだ。まあ、あくまで僕の待ち時間がそんなにかからなかっただけで、2人は先に使い魔を召喚しているかもしれないのだが


 2人をもう1つのグランドで探しているとちょうど2人の試合が終わったところだった。


「2人共お疲れ様、どうだった?」

「余裕に決まっているじゃない、ねぇシノン」

「勿論です。トウヤ兄様はどうでした?」

「僕も上手く出来たと思う、それよりこれからどうする?」


 朝の9時から入試があったが今はもう3時だ。おやつタイムといってどこかでお腹を満たしてから行ってもいいだろう。


「使い魔召喚がまだなら先にやっちゃいましょ?」

「私もその方がいいと思います」

「ならそうしよう」


 僕らは使い魔召喚の部屋に行く、筆記と実技とは違い、使い魔召喚の部屋は限られているがどこの部屋に行くかは自由だ。


 そこは窓がなく最低限の明かりがあるだけの薄暗い部屋だった。そして奥には青い光を放つ魔方陣らしきものが3つあった。


 使い魔召喚の部屋は全部で10部屋あるし実技の半ばという中途半端な時間だったからなのかあまり人はいない


 シオンは黒色の妖精(ピクシー)が現れ、シノンは青色の夢猫(ドリームキャット)が現れる。どれも上位の使い魔だ。因みに名前は妖精(ピクシー)の方はフローシュ、夢猫(ドリームキャット)はユーマ


 僕の番か


 魔方陣の中心に魔力を込める。すると左には黒い羽、右には白い翼をもち鋭いキバがある小さい熊が現れる。


 何この熊


『私は血染めの天使熊(ベアッティエル)のプリンセスよ!崇めなさい』


 …………は?


『は?じゃないわよ。まあいいわ、ほらとりあえずさっさと名前をつけなさい』


 使い魔は名前をつけることで契約が成立する。


「あ、ああ……ルーエル、でどうだ?」

『いいと思うわ』


 そういってルーエルは僕の頭の上に乗る。サイズ的には子猫くらいだ。熊だけどね。


 使い魔って人型以外で喋るんだ。まあ熊も人型っぽいかもしれないけど。


 魔方陣から離れて2人と合流する。


「結果発表は明後日だし明日はこの街を散策でもするか」

「いいですね、シオン姉様はどうですか?」

「私も賛成よ」


 それからは宿屋を決めてチェックインしてから解散した。勿論部屋は別々だ。


 部屋に入り鍵をかけて風魔法で上手く音を洩らさないようにしてから1人の眷属を呼び出す。


「ご主人様~お呼びですか?」


 現れたのは上位森妖精(ハイエルフ)の女性でかなり美しい、なんとまだ19才という若さ。森妖精(エルフ)は寿命が長いだけで成長速度は人間と同じだが老いる速度は物凄く遅い。


 出てきた途端抱きついてくる眷属。


「ちょっ!止めてよミシェル」

「あはは~すみません。つい」


 豊かな胸に顔が埋もれてしまい柔らかい感触といい臭いがして理性を保つのが辛い


「つい、ってまぁいいけど」


 この学園は受験者数が多い為2月に入試がある為ミシェルが今側にいる眷属だ。


「それよりちょっと街の中を散策しない?」

「デートですね?わかりました、その前にその……血を……分けて貰えませんか?」

「勿論いいよ?」


 ミシェルは僕に抱きつき首筋に八重歯を突き立て血を吸う。


 多少の痛みはあるがそれは慣れで何とかなる。というか柔らかいものと甘い香りのせいでそれどころではない。


「さあ、そろそろ着替えて行こうか」


 時間は15:40、夕飯は19:15にシオンとシノンと一緒に食べる予定の為着替えや移動の時間を鑑みて三時間くらいしかない


「わかりました」


 そう言ってミシェルはこの場で衣類を脱ぎ、僕が下着やら服やらを取り出して着替える。


 いや仕方なくだよ?着替えなんて影の中にしかないし、ミシェルが着替える場所もここしかないのだから、え?僕が部屋を出ていけばいい?そんなことしたらミシェルが僕を大きな声で呼ぶ危険性があるので却下。


「それでは行きましょうか、ご主人様」


 ミシェルの格好は薄緑のパーカーを着てフードを被っている。

 因みに種族隠すのにパーカーって便利だから眷属の全員パーカーは持っている。以前僕が「パーカーっていいよね」って言ったことも影響しているとは思うけど。


「ご主人様は止めない?」

「却下です」

「そう言えば、ミシェルのステータスを見せてよ」

「ステータス?ですか」


 眷属たちを呼び出す時軽く説明はしたけどまだ見せて貰ったことがない者が多い。言い訳なのだが眷属たちはほとんどの場合過度なスキンシップをとる為ステータスのことを言い出しずらかったのだ。


 ミシェルは慣れた手つきで僕にステータスを見せてくれる。


 へぇーこれがミシェルのステータスか

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