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魔法訓練はちょっと………ね。

 異世界に来て11日目。


 例の家庭教師の授業を受けていた。


「はい、今日はここまで。お疲れ様です」


 金色の長い髪に金の瞳を持つ彼女の名前はユハナ・ホスタール。男爵家の次女で前の世界の勇者パーティの1人、リリアーナに似ていて才能がある女性だ。


「今日も魔法のご指導して頂いてもよろしいですか?」


 いつもは授業だけで終わるが前回から僕が「良ければ魔法を教えますよ」と言ったことから続いている。と言っても第二回なのだが。


「勿論です。しかし僕がやれることは魔法の感覚をリンクさせて間接的に魔法を使うことだけですよ?」


 実はこれめちゃくちゃ効率が良いのだ。前回色々試したのだが、中々上手く魔法を使えてない。と言うか使い方がなっていなかったのでこの方法を試したところ5級から4級に上がったのだ。まあ、これまでの努力に少しだけ後押しをしたレベルなのだが。


「勿論です!けど良いのでしょうか?私はお金も払っていないのに……」

「そこまで凄いことはしませんよ?」


 ユハナに僕が教えることが出来るのは結界魔法と水魔法と風魔法の3つだけ。だが僕は今、結界魔法は教えていない。ステータスを操作するのは出来ないとされているので通常は見えるか見えないのどちらからしい。故にステータスを偽るのがバレると面倒なのでユハナにも教えていない。


「それに、先生もスキルやSPのことを教えてくれたのでお互い様ですよ」


 スキルは元々持っているかSPを使って習得したり進化出来るものでレベルは五段階で1~5まであり5になったら進化出来る。習得や進化は強ければ強い程SPを必要としている。が、自分に合ったものはそこまでSPは必要ない。所謂才能というやつだ。

 魔法もSPを使えば習得出来るが進化は出来ないらしく更に習得のSPもかなり多く必要らしい。


「それなら良いんですけど。今更ですが本来はそんなこと2級以上ないと出来ないんですよ?なので教員は基本的に座学と実戦で理解を深め使うというのを採用しているのです。2級レベルになると宮廷魔法士になれますからね」


 なるほどね。冷や汗が止まらないよ。

 つまりバレたってことでしょ?僕が2級の魔法が使えるって。


「じ、実は最近漸く水魔法が2級になったんですよね」


 苦しいかもしれないが前回は水魔法だけリンクしたし、僕がステータスをレオンに見せたときは3級だったのであり得ない話ではない………はずだ。


「そうなんですね。もはやそのレベルとは……では宜しくお願いします」

「では、いきますよ?」


 僕は優しくユハナの魔力を弄り魔法を使う。


「んっ!………ぁっ!」


 魔法を使う度に喘ぐユハナ。たまに体がビクッとするのが目に毒だ。


 なんかこの方法でやるのは良くない気がする。前回は1回しかやる時間がなかったが、今回はまるごとこれに当てる予定だったのでどうしよっか。


「あのーこれは止めといた方が良いですよね?」


 一度リンクを切って止める様に優しく促す。


「いえ!かなり気持ちいいのでもっとしてほしいのですが、ダメですか?」


 6歳くらいの僕に色目を使うのやめてください。眷属が見てますよ?


「これは魔法を使う感覚を覚える為にやってるので正直これ以上は効果ないと思いますか?」


 実際ユハナは十分魔法を上手く使えるのでもう後は実戦あるのみ状態である。


「で、ではあと少しだけ、もう少しだけやりましょう?」

「わ、わかりました」


 あまりにも強く要望してきたので思わず了承してしまったが、多分今回はこれだけで終わるんだろうな。


 数時間後

 案の定ユハナはずっと魔力を使ったせいでなる魔力欠乏症になってしまった。原因は……ね。


 ユハナが倒れた後魔力回復薬を飲ませて帰らせてから僕は自室に戻っていた。既に僕より早く部屋にいる眷属は幽霊(レイス)のレニーナ。彼女は吸血方法が独特で、普段は肉体を持たないので彼女のいる空間に血を入れることで血を摂取する。五感は通常、視覚と聴覚しかないのでこの方法が一番楽だと思いいつもそうしている。


 レニーナは普段は肉体を持たないので触るときは魔力を籠めなくてはならない。魔力の籠ってない物はすり抜けてしまうからだ。故に彼女はユハナ先生と僕のやっていたことを知っている。


「トウヤ様、良かったですね。リリアーナ似の女性を弄ぶことが出来て。最後なんてもはやただの雌豚でしたよ」

「い、いや悪気はなかったんだよ?そもそも僕はユハナ先生とリンクして魔力を弄って魔法を使っただけで何も弄ぶことなんてしてないよね?」

「多分あれは性的快感を覚えているのでは?」

「僕は彼女の手を軽く触っただけだが?」

「恐らく彼女の魔力を弄る際に似たような感覚に襲われたのだと推測します」

「……………」


 マジか……普通に合法だと思ってた。だってユハナ先生普通にやっていいよ?って感じだったじゃん!


「これは他の方々にも共有しなければなりませんね」


 他の方々って言うのは他の眷属のことだ。正直これを聞かれると不味い。以前僕が大浴場に入っていたらリリアーナが入ってきた思い出話をうっかり話してしまった時、皆リリアーナ殺す見たいな雰囲気を出していたので宥めるのが大変だったと記憶している。


「本当に如何わしいことなんて無かったよね?止めようよ暴走するの止めるの僕なんだよ!?」

「ならしっかり反省して下さい」

「………はい」


 その後しっかり眷属たちに情報が伝わり僕は必死にそれを止めるのだった。



 僕はその日の夜、ステータスに変化があることに気がついた。


「眷属契約がレベル5になってる」


 そう言えばついさっき最後の眷属を呼び出したのでそれが関係してるのだろう。


 スキルはレベル5になるとSPを消費して進化出来る。


 進化したスキルはレベルがなくなる為永遠に進化出来る訳ではないが今回は早速進化させて見ようと思う。


 ステータス画面の眷属契約をタッチするとその効果が書かれている画面に変わった。その最後の方に進化すると書かれている四角い枠がある。それに触れると「SPを消費して進化させますか?」と脳内に中性的な声が響く。

 迷わずイエスと答えステータスを確認すると眷属契約から眷属との命約に変化していた。


 眷属との命約になったことで新たな能力が増えた。それは入れ替り。その名の通り眷属と意識を交換するという能力でこれは僕の意識で自由に交換出来る。

 入れ替りを行うときは入れ替わる眷属を思い浮かべて入れ替ることを望めばいい。試しにソフィアと入れ替わると本当に意識だけ入れ替わるようだ。


 ソフィアが僕の体で何かしようとしていた為すぐさま入れ替りをキャンセルした。


 これは中々有用な能力だな。


 何故なら眷属たちと入れ替わることで世界各地を見ることが出来るのだ。いやそんな道具みたいなことはしないけどね?

なんとなくこういう日常回を挟みたくなりました。

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