こんな俺でも、本気で母さんを好きになってもいいですか?
___俺の両親は、俺が6歳の時に離婚したんだ!
しかも? どちらも俺を引き取りたくないと言ったんだよ!
___俺の目の前でな!
『___あなたが、りょうたを引き取ってよ!』
『___何を言ってるんだ! 俺は仕事で忙しんだ! 母親のお前が
りょうたを引き取るのが当たり前だろう!』
『どうしてそうなるのよ! 母親だからと言って! 子供を引き取る
のが当たり前と思ったら大間違いよ! この子は、あなたの血も半分
引き継いでいるのよ!』
『何をそんなに大きな声で! りょうたが聞いているだろう! りょうた
だって! お母さんと一緒の方がいいよな!』
『___りょうたは、お父さんの方がイイでしょ? お父さん大好きだも
んねぇ~』
『・・・・・・』
・・・結局、子供の親権を持った俺の母親が俺を引き散る事になったんだけど?
元々、子供嫌いの母親が俺を引き取って! ちゃんと育てるなんてできず...。
・・・俺を引き取って数か月後。
俺の母親は、俺を一人置いて出ていってしまった。
___そう! 俺のは母親は、俺を! “育児放棄したんだ!”
▼
___その後は、、、俺は父親の元へ。
・・・でも? 元々俺を引き取る気もなかった俺の父親が俺を育てる
事なんか出来ずに、、、当時、父親の愛人から父親の恋人になった女
に俺の面倒を見るように言っていたらしい。
・・・それからというモノ。
父親は、家に帰って来なくなり俺とこの女の二人きりの暮らしが始ま
ったんだよ!
___俺の父親は、既に新しい女の家に入り浸っていたんだ!
・・・奇妙な関係だけど? 俺とこの女で二人で暮らすようになって。
俺の事を、本当の息子のように育ててくれたんだよ!
___赤の他人の、この女がだよ!
本当の俺の親は、、、?
ふたり共、俺を捨てて家にも帰ってこないとうのに、、、。
・・・この女は違ったんだよ!
本当に優しいんだ! 俺にとって大事な人になっていったんだよ!
俺もなかなか? 素直になれず、【反抗期】の時期もあって、、、!
たくさん! この女を悲しませてしまったけど、、、?
一度も! この女は、俺を見捨てる事はなかったんだ!
▽
___唯一! 俺は、この女だけは! 信用できる大人だと思えたんだよ!
俺の親父は、相変わらず次々と新しい女のところへ転がり込んでは、、、。
その女に、面倒を見てもらってたんだよ!
所謂! “ヒモ男”なんだ!
この女も! 俺の父親を養っていた女の1人だよ!
・・・でも?
俺の父親は、若い女が好きだから、この女に直ぐに飽きたんだろうな!
それに、俺の事もだ!!!
▼
___あれから14年経った時。
・・・俺の実の母親が俺に会いに来たんだよ!
『___りょうた! 元気だったの? お母さん、ずっと貴方の事を
1日も忘れた事がなかったわ! もし? りょうたがよければ、、、?
またお母さんと一緒に住まない?』
『悪いけど? 俺には既に“母親と呼べる人がいるんだ!” 母親は2人
もいらないだろう! もう、帰ってくれないか! 俺はアンタの事を恨
んでないし! 母親だとも俺は一度も思った事はないよ!』
『・・・りょうた、』
『___今は、俺が幸せなんだよ! 心から愛してくれた母さんと一緒に
いれてな!』
『・・・そう、分かったわ! あなたが今! 幸せならそれでいいのよ!』
『___あぁ!』
___たまたま、あの女が家にいない時に、、、。
俺の実の母親が訪ねてきて、良かったとホッとしているよ!
もし? あの女があそこに居たら?
きっと、自分の事より俺の母親の気持ちを尊重して! 出て行っていた
かもしれないからだ!
___本当に、あの女は優しい人だから、、、!
・・・それにこの時、分かった事もあったんだ!
それを! この女に俺は、直接伝えようと思う!!!
『___なあ、“今日からアンタの事! 母さんと呼んでいいか?”』
『___えぇ!?』
『こんな俺でも、本気で母さんを好きになってもいいですか?』
『勿論よ! 貴方は、私と血は繋がっていないけど? 本当の息子だと
思っているのよ!』
『___母さん!』
『・・・ありがとう、りょうた。』
___嬉し泣きする、母さんを見て! つい、俺ももらい泣きしてしまった。
でも? これでやっと、“本当の親子になれた気がするよ!”
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