7 幕間 支配者たちの秘密会議
少し先の話になるが。
東京都市最高責任者、青木達也が直兎達—ー第14期応援要員を裏世界に案内した日の夜、本部の3階にある部屋で、青木はスクリーンと相対していた。
スクリーンに映るのは初老の老人と金髪の女性である。
2人とも外国人であるが。
彼らは3人でビデオカメラ越しに英語で会話していた。
「リーン、ジェームズ、報告がある。」
『なんだ?』
『何かな?タツヤ。』
「うちも、日本もついに—ー空白のスキルが発現したんだ。」
『ほう、やっと東京も出たか。』
『これで4つ目ね』
「まあ、ニューヨークの方は発現してもジョンが隠蔽するでしょうからわかりませんけどね。」
『そうじゃのう。』
『それじゃ、ニューヨークをのぞけばあとはロンドンと上海だけね。』
「ああ、それですが、いまロンドンにもう一人の達也を向かわせてるのですが—ー」
『ああ、あの子でしょう。〔ペルセウス〕の〔変光星〕。』
『ああ、あの小僧か。』
「はい。それでロンドンの方も空白のスキルが発現したそうですよ。それもねえ。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※という内容で、ロンドンの【十二神獣】、【朱雀】とも契約したそうですよ。」
『え......』
『む......それは強いな。』
「まあ、契約できる相手は限られてるみたいですけどね。」
『それはそうだろうな』
『ともかく、あとは上海だけね。』
「ええ。まったく、何なんでしょうね。このスキルは。」
『さあ。システムを作ったのはジョンだから知ってるはずだけど—ー』
『何度聞いても「知るべき時が来たらわかる」の一点張り...か。』
「まあ、なんにせよ重要であることには変わりないだろうけどね。」
『ああ。【十二神獣】レベルでな。』
『まあ、ジョンの性格上ね......』
「ああ。だからくれぐれも死なせないようにしないとな。」
『ほっほっほ。分かっておるわい。』
『こっちも大丈夫よ。』
「わかった。とりあえずこの話は以上だ。他に何かあるか?」
『いいえ、特に......』
『ないのう。』
「そうか。じゃあまた明日な。」
『ああ。またな。』
『ええ。—-愛してるわ、タツヤ。お休み』
「ああ。お休み」
そう言って青木はビデオカメラを切る。
後ろには終始黙って聞いていた秘書の望月がいた。
「それにしてもガチャから出たか......。」
望月に話しかける。
「はい。初期限定ガチャを行ったときに出たそうです。」
「そうか。—-それに、神崎君とは、—-」
「はい。戸籍を調べたところ、あの方の曾孫で間違いないかと。」
「そうか......なんの因果かねえ。」
尊敬するあの方を思い出しながらおもう。
—-偶然ではない。これは運命が引き起こした必然だろう、と。
「さて、うちの空白のスキルはどんな能力でしかねえ。できれば強い方がいいですが......。望月さん、一応このことを皇天馬さんと魁姫香さん、それに......銀鏡初音さんにつたえてください。」
「わかりました。」
そうして2人は部屋を出ていく。
こうして夜の秘密会議は幕を閉じた。
8話くらいまでは、説明会なので、何言ってるか全然わからないと思いますが、じっくりと読んでください。
次回は9月6日0時予定。




