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15 初めてのパーティー戦

〈前回のあらすじ〉

 2日目、地下迷宮で戦った。


前回に引き続き、今回も少し長め。

今は1話で4000字を目標にしてます。(これで4009)






 危なげなくコボルトを倒したところで脳内にアナウンスが響いてきた。


 《経験値が一定に到達しました。Lv.9からLv.10になりました。》


 地下迷宮に入ってからは、魔物の数も多く、かなりの量を倒してきたが、今日初めてのレベルアップだ。

 やはりレベルが上がるにつれて上がりづらくなっているのか。


 ステータスは、


==============================

 神崎 直兎 14歳 人族 Lv.10

 ギルド〔ペルセウス〕


 HP  98%

 MP  94%


 力   26

 敏捷  21

 器用  24

 知能  40

 耐久  30

 魔耐久 4

 魔力  18


 スキル

  【  】


 独自魔法


==============================


 となっている。


 ようやく知能のステータスが40台に入った。

 これでもっとテスト勉強が楽になるだろう。

 ......実感はないが。


 それよりも、翔馬に指示された地点についた。


 床には第1階層から第2階層に降りたところや、第2階層から第3階層に降りたところのような穴が開いている。

 この下がおそらく第4階層だろう。


 「着きましたね。さっきのようにこの下に行けば第4階層になっています。第4階層からはモンスターの強さも上がり、F⁺からⅮ⁻までのモンスターがいるんです。さすがに神崎君でも1人では難しいでしょうから、ここからは4人で進みます。」

 「はい。」


 彩乃にこたえて、第4階層から出るモンスターについてや、陣形、戦い方などを聞く。


 パーティーでは、後衛の彩乃が指揮を執るらしい。


 そうこうしているうちに、翔馬が下に降りる準備をしていたらしい。

 俺たち4人は第4階層に降りて行った。


 ◇


 いつものような軽い雰囲気はない。


 桃が周りを見張っていて、【看破の魔眼】でモンスターが現れるときにはわかるらしいが、全員があたりを見回しながら歩く。


 第4、第5層に出てくるモンスターはF⁺からⅮ⁻。

 普通に戦って、レベルが10台の半ばから後半の3人が負けるようなことはないが、油断をして、不意を突かれれば重傷を負ってしまうことも十分あり得る。


 全員、真剣な顔つきをしている。


 「前からブルースライム4、レッドスライム1。」


 歩き始めて5分ほどでそう桃が言った。

 どうやら魔物が来るらしい。


 数秒後、その言葉どおりに前の通路から5体のスライムが現れた。


 俺は剣を、桃は槍を構える。

 翔馬は、地下迷宮に入ったときから、獣人の姿、いつもの姿に狼の耳と尾、爪が生えている—ー牙も生えているらしい—ー体になっていて、素手で戦うらしい。


 陣営としては、俺と翔馬が前衛、彩乃が後衛で、それを守る位置に桃が中衛として立っている。


 スライムが速い速度ではねながら寄ってきた。


 4体のブルースライムが水刃を放ってきた。

 内、1つが俺の方にとんできた。


 俺は剣の腹を水刃にあてて、霧散させる。


 翔馬は純粋によけたようだ。迷宮の壁に当たって水刃が霧散する。


 そのままブルースライムを爪でつかんで、こちらに投げてくる。


 そのあとに後ろにとんで着地し、止まる。


 「【聖なる光よ、今ここに現れしは正義と悪を分かつ戒門。】」


 そのまま魔法の詠唱を始めている。


 「【燃え盛るは竜の息吹、きらめくは紅蓮の調べ】」


 それに合わせて彩乃が詠唱を開始する。

 詠唱を紡ぐ速度は翔馬より断然速い。


 俺は落ちてくるブルースライムに合わせ、剣を横に振り、とんできた3体のうち2体をしとめる。


 そのまま剣を振り上げて、こちらにとんでくるもともといたブルースライムを上段から切りつける。


 「【契約において、今ここに炎の精霊を呼ぶ。ハルト、ヴァル、フロ、ミネル】」


 先ほど仕留めそこなった一体が近づいてきたので、体勢を立て直すために後ろにバック転しながらよける。


 と、そこで後ろにいたレッドスライムが液体をはいてきた。


 レッドスライムはⅮ⁻の魔物。攻撃は水刃のように鋭さはなく、形はあやふやだが、あれは酸だ。

 受けるのは論外。かといって剣に当たっても剣が溶けてもろくなる。


 よけて後ろの桃に任せるのもいいが—ー


 「【ここは聖域なりて、わが敵を通さず—ー結界(バリア)】」


 翔馬の詠唱が終わり、俺の前に黄色く光る半透明の壁が現れる。


 レッドスライムの酸はその壁に当たり、床に落ちる。


 光系・基礎・中級魔法、結界(バリア)


 光の壁を任意の場所に出現させる魔法。

 強度は、本気で殴れば割れるくらいに弱いし、時間がたてば消えるが、酸攻撃など、物理防御のしにくい攻撃に対しては非常に有効だ。


 「【炎の導きをここに。行進せよ、天空の大蛇リントブルム—ー焔蛇】」


 そして、彩乃の詠唱が終わる。


 彩乃の構えた杖から、炎の蛇が出てくる。

 それは直径30センチもの大蛇で、背中に2枚の翼がついている。


 炎の大蛇はそのまままっすぐ進みレッドスライムに当たる。


 大蛇が通りすぎると、そこにレッドスライムの姿はなく、ただ赤く丸い石が転がっているだけだった。


 火系・独自・中級魔法、焔蛇。


 炎でできた、ドイツやスカンディナヴィアの一部で伝わる伝説の大蛇リントブルムを呼ぶ。

 召喚魔法よりの範囲攻撃魔法だ。

 中級の独自(オリジナル)魔法(マジック)なだけあって、威力は強大、特にその攻撃範囲はかなり広い。

 彩乃の持つ2つある独自魔法のうちの一つだ。


 本来、1体の敵に使うような魔法ではないが、レッドスライムに近距離は危険だし、半端な威力しかない基礎魔法ではレッドスライムを消し去ることはできないので、今回はこれを使った。


 そして、


 「ん。」


 桃がそうつぶやくと、


 「はい。終わりや。彩乃と直兎は素材回収。桃は見張りをよろしくな。」


 そう言って、魔物の素材を回収する。


 ブルースライムは持っていた瓶に詰め込んで持ち帰る。

 HPやMPを回復させるポーションの材料になるらしい。


 レッドスライムは赤い石しか残っていない。


 これは魔石と言って、一定以上の魔物しか持たない、魔素を多く含んだ石だ。


 全ての素材を回収し終えて、また奥へと進むことになった。


 ◇


 第4層と第5層の入り口は近かったようで、レッドスライムたちを倒してすぐに第5層に降りた。


 そしてその後、10分ほど歩いたところで、


 「ゴブリンジャイアント1、ゴブリン6.」


 と桃が言った。


 その数秒後に、前方の曲がり角から7体の魔物が出てきた。


 ゴブリンは俺たちを見つけるとすぐに走ってきた。


 俺と翔馬も走り出す。


 走ってる途中、翔馬の体から毛が生えてきて、骨格から体のつくりが変わる。

 そのまま、半人半獣形態だったのが完全な狼に代わる。


 獣人族の完全獣化状態。

 獣人族のステータスを一番発揮しやすい状態であるが、普段の人型と大きく変わるため、器用な動きはできない。


 「ジャイアントに行って。」


 と、狼の口から指示が出される。


 「はい。」


 と返事をして、指示通りに周りのゴブリンを無視し、ゴブリンジャイアントのもとへと向かう。


 途中、ゴブリンに木の棒でたたかれそうになるが、後ろから高速道路の自動車に匹敵するスピードで迫ってきた狼がそのゴブリンに爪を突き立てる。

 そして狼は爪に刺さったゴブリンを床にたたきつけ、また後ろの方へと走って行った。


 【獣化—ー突進狼(ロケットウルフ)—ー

  ・獣化できる。

  ・(モデル) 通常種、突進狼(ロケットウルフ)

  種族(クラス)スキル

  ★1】

 翔馬のスキルだ。

 突進狼という、敏捷性に優れた魔物に変身できる。

 種族スキルに該当し、スキルの強さをあらわすレベルは★1。


 最初に有り金の大半をはたいて、強制進化券を買ったらしい。


 翔馬の援護もあって、すぐにゴブリンジャイアントのところまでたどり着けた。


 ゴブリンジャイアント。

 ランクはⅮランク。

 名前の通り巨大なゴブリンで身長は約3メートルもある。

 手に持っているのは2メートルもする大剣。


 そう。つまり今までと違って相手の武器事たたき切ることなんてできない。


 ゴブリンジャイアントは俺を敵として捕らえたようで、大剣を振りかぶる。


 降りてきた大剣に対して俺は刃をたてて剣で受け止める。


 —-ガンッ


 手に大きな衝撃が加わる。

 受け止めきれなかったようで、押し込められ、頭の上すれすれまで止められなかった。


 剣を使い、相手の大剣を何とか横に振り、後ろにとんで体勢を立て直す。


 すぐさまゴブリンジャイアントが迫ってきて、体験を振り下ろす。


 普通に受けたら耐えきれない。

 だから今度は少し斜めにずらして構える。


 再び剣がぶつかり、腕に大きな衝撃が来るが、そのまま剣を左に動かし、相手の大剣をそらせる。


 大剣が俺の左を通りすぎ、地面にぶつかる。

 砂埃が舞うが、そのまま進む。


 しかし、もう少しで剣がとどくというところで左から大きな衝撃が加わり、2メートルほど吹き飛ばされる。


 慌ててそのまま転がり、ゴブリンジャイアントとの距離を取る。


 やられた。剣の腹で殴られた。

 刃が当たってなかったため、切られてはいないが、かなりダメージをくらった。

 ゴブリンジャイアントのステータスをなめていたようだ。


 集中して体内の魔素を左腹に集める。


 「【聖なる光よ、この者に癒しを—ー小治癒(キュアヒール)】」


 そして急いで詠唱をすると痛みが少しずつ引いてくる。


 そこにゴブリンジャイアントが来て大剣を振り下ろす。


 横に転がって回避。

 剣を構えるとやはリ横から大剣が迫ってきていた。


 今度はさっきよりも力を込めて大剣を上にずらす。


 そのまま走って近づくが、やはり大剣は戻ってきていて、右上から降り下ろされる。

 それを右にずれて回避。

 大剣が地面とぶつかると同時に剣をしたから上に切り上げてゴブリンジャイアントの左手首を切る。


 幸い、体の硬さはホブゴブリンとあまり変わらず、真っ二つに切り離された左手はポトッ、とと落ちる。


 「ぎぎぎゃあぁあぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ」


 ゴブリンジャイアントが怒りにも聞こえる悲鳴を上げる。


 右手で大剣を振ろうとするが、圧倒的に遅い。


 大剣を上に払って、剣でゴブリンジャイアントの胸を切りつける。さらにもう一度胸を刺して完全に命を刈り取る。


 バタッ、とゴブリンジャイアントが倒れて、砂埃が舞う。


 ゴブリンジャイアントの胸には、濁った緑色の魔石が埋まっていた。


 振り返ると、少し後ろではちょうど翔馬がゴブリンを狩り終わったところだったようだ。











最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。


誤字報告をしてくださった方、ありがとうございます。

修正まで時間がかかるかもしれませんが、助かっています。


「おもしろい!」

「応援してる!」

「はよ次更新しろ!」


そう思っていただいてる方、この下の評価欄で評価してください。

最大10ポイントです。

10ポイントはほんとに助かります。


ブックマークもしていただけるとありがたいです。

ブックマークもしていただけるとありがたいです。(大事なことなので2回言いました)


次回は11月29日0時予定です。(いい肉の日)


それではまた次話で。

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