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10 順調なレベル上げ その②






 目の前に迫ってきた赤い火を避けるため、コボルトを飛び越えるように跳躍する。

 2メートルくらい上がり空中で1回転しながらコボルトの先に着地点を探す。


 すると、そこには木の棒を振りかぶっているゴブリンがいる。

 着地直後の無防備になる瞬間に合わせて殴るつもりだろう。

 ダメージ覚悟で無視してもいいが、殴られて止まった瞬間に今も俺を追いかけている火に焼かれるだろう。

 痛いのは我慢できるが、熱いのは嫌だ。


 よって空中で剣を頭上に構える。

 結果は言うまでもないだろう。

 武器は木の棒と金属でできた剣だし、こちらは落下と回転の力も上乗せできる。

 俺の剣は木の棒ごとゴブリンをたたき切った。


 火に追いつかれて焼かれないよう、着地後すぐさま回転の余力を使って右斜め前に転がりながら進む。

 俺のすぐ左を火が通過する。


 あっつ!


 さらに転がってきた俺にむかって進行方向から水が飛んできた。

 ただの水ではない。高速で飛んできたそれは水分子が振動して、斬撃の力が加わった水—ー水刃だ。


 慌てて右手を地面にたたきつけ体を浮かす。

 それだけで50センチ以上跳ぶのだ。

 強化されたステータスおそるべし。


 俺の下を通り過ぎた水刃が後ろで残っている火とあたって、じゅうっと音を立て、互いに消滅した。


 遠距離攻撃を持った敵が前後に一体ずつ。

 後ろのコボルトはもうMP切れだろうが、あいつはスピードがあるから似たようなものだろう。


 俺は落ちながら剣を左手に持ち変える。

 地面についたら転がりながら体をおこす。

 右手で予備用にもていたナイフを引き抜きコボルトの方に投げる。

 回転しながら飛んで行ったナイフはコボルトの前足に刺さって切りつける。

 HPをすべて飛ばすことはかなわなかったが、ほおっておけば出血で死ぬだろう。


 コボルトはほおっておいて、もう一方の敵に駆け寄る。


 水刃をとばしてきた青いスライム—ーブルースライムだ。

 グリーンスライムの上位互換でランクはE⁻。

 さっきのように、自分の体内にある水を使って水の刃、水刃をとばしてくる。


 またとばしてきた水刃を剣で散らし、そのまま手を返してブルースライムを切る。

 スッパリ......とはいかなかったけど、ブルースライムは飛んで行って、ビルの壁に当たって命を散らした。


 だが、まだ終わりではない。


 急いでビルの角の先に行く。

 そこには先のとがった木の棒を俺の方に投げようとしていた2メートル弱の大柄なゴブリン—ーホブゴブリンがいた。


 ホブゴブリン。

 ランクはE⁺。

 大きめの大人サイズのある、ゴブリンの上位互換で、強い個体ならステータスは人間に匹敵する。

 武器には、先のとんがった太い木の棒—-丸太を持っている。


 ホブゴブリンは気付かれていたとは思わなかったようで驚いている。

 体の半分も出してたんだから気付くっての。


 そのまま剣を振り下ろすも、さすがはE⁺ランクのホブゴブリンといったところか、後ろにとんでよけた。

 振り下ろした剣を戻しつつも前に跳び、剣を突き出す。


 ホブゴブリンは振り上げた木の棒を振り下ろそうとしている。


 おそらくもう敵はいない。

 剣を突き刺せば終わりだ。


 ダメージ覚悟で敵の攻撃は無視する。


 俺の剣が相手の胸に当たる瞬間、相手の木の棒が俺の頭に当たる。


 「—-ヴッ!」


 コボルトにかまれた時の痛みの比ではない。

 危うく意識を手放しかける。

 頭から額にぬめっとした液体が流れているのがわかる。

 視界が不安定だ。


 だが、


 —-ぶちゅっ


 半ば倒れながら突き刺した俺の剣はホブゴブリンの胸にしっかりと刺さった。


 ふらつく体を2本の足でしっかりとささえる。

 意識を手放さないように歯を食いしばる。


 《経験値が一定に到達しました。Lv.8からLv.9になりました。》


 「お、終わってる。」

 「すごいですね。Lv.8でホブゴブリンを倒すなんて。」

 「ああ、今9になった。」

 「......そうか。それにしてもずいぶんと捨て身の攻撃をするな。」

 「まあ、能力(ステータス)だけあって、経験も技術もないですからな。少し無理しないとあれは倒せないから。」

 「まあそれでも俺らからしたらすごい技術あるけどな。今日が初めてやろ。なんか習ってたんか?」

 「いや、なんとなく、感覚で。」

 「......天才肌?」

 「だね。」


 頭の傷を翔馬に直してもらいながら話をする。


 あれから、昼食をはさんでレベル上げをして、今は3時くらいだ。


 おれのステータスは、


==============================

 神崎 直兎 14歳 人族 Lv.9

 ギルド〔ペルセウス〕


 HP  91%

 MP 100%


 力   24

 敏捷  20

 器用  22

 知能  39

 耐久  29

 魔耐久 2

 魔力  14


 スキル

  【  】


 独自魔法


==============================


 こんな感じである。

 魔法系以外20越え。

 最初の倍以上である。


 「んじゃあそろそろ帰るか。」

 「え、もう!?」

 「はい。初日なので。それに魔力のステータスが上がった分の基礎魔法を覚えてもらわないといけないので。」

 「ああ、そうか。」


 そういって、4人でホームに帰る。


 「明日からはどうすんのや?」

 「明日?」

 「ほら、学校あるやろ。」

 「あっ」

 「別に来んでもいいし、放課後に来るなら来るで構わんけど。」

 「......そうですね。一応来ようかな。」

 「そうか。じゃあその時間になったらホームにおるから。ホームに来てな。」

 「わかった。」

 「ふふ。もうだいぶ砕けた口調で話せるようになったんですね。」

 「あはは、すいません。」

 「いや、全然大丈夫なんですけど。」

 「彩乃さんはずっと丁寧語ですよね。」

 「あ、まあこれはもう癖みたいなものだから......」

 「そうですか。」


 しゃべりながら、道にいる魔物を倒して進む。


 「じゃあ、明日は2階層に行ってみようか。」

 「......地下、だよな。」

 「ああ。でもレベルは地上と変わらんから大丈夫やで。」

 「それならよかった。」


 1~3階層ではさっきのホブゴブリンが最高レベルなんだそうだ。


 ただ、地上の危険区域には上級の魔物もいるらしい。

 南に行けば行くほど生息する魔物の強さは上がっていくのだとか。

 それが南半球に都市が存在しない理由らしい。

 魔物が溢れないようにはしているらしいが。

 すごい強い人がいるとか。


 そんな雑談をしながら、俺たちはホームについた。


 剣や、荷物を置いて、彩乃に基礎魔法を教わる。

 その間に翔馬と桃は魔物の素材を売りに行ってる。


 新しく教わったのは、地属性魔法が4つと聖属性魔法が2つ。

 地属性魔法と聖属性魔法で覚えられた魔法の数が違うのは難易度の問題だ。

 聖属性と魔属性は難易度が高いらしい。 


 翔馬の使っていた治癒魔法も教わった。


 地属性魔法は、影魔法は戦闘では使えないようなものだが残りの3つは十分使える。

 これがあれば戦闘の幅が大きく広がる。











最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。


誤字報告をしてくださった方、ありがとうございます。

修正まで時間がかかるかもしれませんが、助かっています。


「おもしろい!」

「応援してる!」

「はよ次更新しろ!」


そう思っていただいてる方、この下の評価欄で評価してください。

最大10ポイントです。

10ポイントはほんとに助かります。


ブックマークもしていただけるとありがたいです。


次回は9月30日0時予定です。


それではまた次話で。


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