表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/75

19.攻撃手段と新たなスキル

 冒険者になる事が認められた日から1ヶ月の時が経った。その間、俺は攻撃や防御、それに索敵などの方法を考えてきた。今までは、攻撃は念動力で捻る事。防御は結界。索敵は千里眼や透視、読心も使える。まあ索敵と防御の方法は変えなくて良いと思うけど、攻撃手段が極端に少な過ぎる。だから攻撃手段を考えてきた。そして思いついたのが、結界で作った剣だ。

 俺の超能力で作る結界は形を自由にできる。そこで剣の形にした。この時点では壊れる事のない棒。刃がないから切る事は出来ない。そこで切る為に効果を付与する。結界の効果も俺の自由だからな。

 効果は【触れた物体の抵抗を無くし、動く先に何があっても、その動きを妨げられない】というもの。抵抗がないから切ろうとした時に俺に跳ね返ってくる力がなくなる。動きを妨げられなければ、結界を剣の形にしているから、切っているように見えるはずだ。と言っても結界は俺以外には見えないから、何があったかは分からないと思うけど。

 この剣は近距離の攻撃用だけど、俺は剣術は使えない。父さんに習うのもアリだけど、今から2年ほど習ったところで付け焼き刃にしかならないと思う。だから応用を考えた。

 それは結界の刃を飛ばす事。効果は同じ。名付けて結界刃けっかいじん。実際に屋敷の庭で岩を相手にして使ってみた。横一線に使ってみたら、岩が真っ二つになった。切断面も綺麗だったし満足だ。その後、父さんに叱られたけどな。これが中距離の攻撃。

 もう1つは遠距離の攻撃。それは結界で作った弾。名付けて結界弾けっかいだん。効果は通常のどの攻撃も効かないと共に【進行方向に何があっても動きを妨げられない】というもの。


 俺の武器は全て他人には見えないものだな。

 結局、攻撃手段は念動力と結界か。まあそれでも近距離、中距離、遠距離の攻撃手段ができたから良しとするか。まだ物足りない気がするけど、それは冒険者として活動していく内に増やしていこう。この攻撃方法は屋敷の庭にある石にしかしていない。実際に魔物相手に使ってみたいな。魔物には悪いけど、これも俺の成長のためなんだ。許してくれ。きちんと素材は使うよ。


「父様、森に行ってきても良いですか?」


 思い立ったら即行動だ。


「森に何の用だ?」

「考えたスキルでの攻撃手段を試してみたいんです」

「誰かと一緒に行くのなら許可しよう」

「ありがとうございます」


 その後、俺は屋敷の玄関に来た。そこには1人の青年が立っている。この青年は使用人で俺の護衛をしてもらう。


「それじゃあ、よろしく頼むよ」

「はい、ラソマ様のことは命に代えても守らせて頂きます!」

「アハハ…それじゃあ行こうか」

「はい!」

「瞬間移動で移動するから驚かないでね?」

「は、はい」


「うわっ!…失礼しました!」

「うん、まあ初めてだから、そうなるよね」


 森に瞬間移動した瞬間、青年は驚いた声を出して謝ってくる。急に視界が全く別の場所を映すんだから驚くのも無理はないな。

 さて、魔物はどこにいるかな?千里眼と透視で探していく。見つけたけど、少し小物だな。ウサギ型の魔物だけど、攻撃するならもう少し大型が良い。そう思って周囲を見回すと、少し遠くに犬型の魔物がいた。大きさも大型犬並みだ。


「遠くに大型犬みたいな魔物が2匹いるんだけど、そこに移動するよ?」

「はい。え…大型犬の魔物ですか?」

「うん、そうだけど、何?」

「その魔物はたぶんCランクです。危険ですよ」

「Bランクの魔物を倒した事があるから大丈夫だよ」

「え!?」


 そうか、知らない人もいるんだ。自慢したいわけじゃないから、言いふらしてないもんな。


「とりあえず近づくよ。大丈夫。2人に結界を張っているから」

「は、はい」


 それから結界を使った移動を行う。

 いた、あれがCランクの魔物か。


「それじゃあ行ってくるね」


 と言っても遠距離と中距離の攻撃だけど。

 まずは結界刃。結界で作った刃を飛ばす。結界刃は魔物には(というか誰にも)見えてないから、回避行動を取らない魔物は縦に真っ二つに切れた。横にいた魔物が驚き、周囲を見回して俺たちに気づく。

 今度は結界弾。結界で作った弾を魔物の頭に向けて飛ばす。勿論、魔物に弾は見えていない。結界弾が頭を貫通した魔物は絶命した。


「うん、成功だ。この技なら使えるね」

「Cランクの魔物がこんなにあっさりと…」


 後ろで青年は唖然としている。いつか聞いたようなセリフだな。


「それじゃあ帰ろうか」

「は、はい…」


 まだ驚いてる。Cランクでも、そんなに強いのか。今のところ、魔物からダメージを受けた事がないから強さが分からない。かと言って強さを知るためにダメージを受けるわけにはいかないけど。

 その後、俺たちは瞬間移動で屋敷に帰った。ちなみに魔物の素材は取らなかった。青年が言うには、あの魔物には討伐した時の証明部位はあるみたいだけど、他の部位に素材として使えるものが無いそうだ。全ての魔物に使える素材があるとは限らないんだな。これも冒険者として生きていくためには覚えないといけない知識だな。


「ただいま帰りました」

「ん?早かったな。もう実験は終わったのか?」

「はい。無事に成功しました」


 屋敷に帰って父さんに報告する。護衛をしてくれた青年は、俺の護衛という役目が終わったので、別の仕事をしている。いちいち使用人の仕事を止めて俺の護衛につかさなければいけないのが悪い気がする。俺の結界は優秀だから、魔物の攻撃からきちんと守ってくれる。もう1人でも大丈夫なんだけどな。


 報告を終えた俺は自分の部屋に帰る為に屋敷の中を歩いていた。


「あ、ラソマ様!無事で良かったです!」


 そう言いながら、アミスが駆け寄ってくる。どうやら俺が魔物を倒す為に森に入った事を知っているようだ。


「大丈夫だよ。相手はCランクの魔物だったからね。Bランクの魔物を倒せる僕に負ける要素はないよ」

「それでも油断は禁物です」

「…そうだね。肝に銘じておくよ」


 アミスの言う通りだな。自信を持つのは良い事だけど、自信過剰になってはいけない。

 その後は何回もする必要がないから、魔物に対して実験を行う事は止めた。


 時は経ち、俺は14歳になった。


『新しいスキルを解放します』


 今年も解放されるのか。今度のスキルは予知。使いこなせれば、強力なスキルだな。まあ、それはどのスキルでも同じ事だけど。


「今年は予知か。また凄いスキルだな」


 朝食の席で新しいスキルが解放された事を報告すると、父さんが苦笑いする。


「未来に起こる出来事を予め知る事ができる…そのような魔法もあるが、使える人間は少ない」

「ラソマの使うスキルは珍しいものばかりなのね」

「そのようだな」


 父さんと母さんが盛り上がっている。

 また今日から予知を使いこなせるように訓練しないといけないな。


「スィスル、勉強はどう?はかどってる?」


 兄さんがスィスルに聞く。スィスルは俺が王都に行った1年後、王都にある学校に編入する予定だ。その為には今まで以上に勉強が必要になる。


「はい、順調です!」


 スィスルは自慢げに答える。聞いた話だと、スィスルは勉強熱心で、先生も褒めていたという。


「2年後が楽しみだね」

「はい!」

「俺は一気に2人も子供が出て行くんだから、少し寂しいけどな」

「父様、大丈夫です。たまには帰ってきますから」

「うむ、やはり顔を見たいからな」


 父さんの言葉に母さんが苦笑いしている。

 いよいよ来年か。前世では一人暮らしをしていたけど、この世界で一人暮らしは初めてになる。違うところだらけだから不安もあるけど、楽しみでもある。

 せっかく異世界に転生させてもらったんだから楽しく生きないとな!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ