車窓の夜景
ずっとうつむいてたから
知らなかったね
電車の窓から眺める夜景
意外と星空のよう
そんなに栄えた街じゃないのに
数え切れない明かりが灯る
すぐに流れてゆく光たちは
どこへも行かないで
そこにいたのに
気づかなかったのは
へこんでいたからかな
古い失敗談や
切ない恋の思い出
遠くなって忘れていた涙の跡を
不意に思い出して胸がつまった
時は流れて
新しい時間が過ぎて
全部が懐かしさに変わったら
笑顔で誰かに話そう
「昔ね……」
時は優しく流れて
少しずつ
思い出に生える棘を
溶かしていく
ちくりちくり
痛んでいた胸が
ゆるりゆるり
癒されていく
ずっとうつむいてたから
知らなかったね
電車の窓から眺める夜景
意外と星空のよう
きらめく明かりが
心にも灯っていた