ドアの外
ジャンル別ランキング2位!?びっくりしました!!ブックマークして下さった方、評価して下さった方、有り難うございました!!
ちゅっ…
ちゅっちゅっ…
愛しのマイルームのドアの外から聞こえる生々しいリップ音。
「ねぇ、茅斗姫花と鈴香、どっちが好き?」
甘い声で聴くお姉ちゃん。
多分私に聞かせようとしたのであろう、少し大きめの声であった。
「勿論、姫花だよ。あんな奴と比べるまでもないよ!俺は姫花をとても、とても愛してるよ。」
こちらもまた、甘い声で言ってキスをした。この前までは私を愛してるとか言っていたのにね。冷めた気持ちでこれらの会話を聞く。
「本当に?嬉しいっっ!!」
嬉しいという言葉が私に向かってざまぁと言っているようにしか聞こえないのは私の被害妄想が激しいからだろうか。
「可愛い奴。ちゅっ」
「んもう。」
甘ぁい会話に聞き飽きてそろそろ勉強しようかなと思い、問題集を開いた。
イヤホンをして音楽を流す。私の好きな音楽を聴くと冷たくなった心が温度を取り戻した。
私は大学では姫花とは違う所へ進学したいと思っている。
けれど、姫花は私と同じ大学に行きたいらしい。何故なら優しい姉を演じる為。そして今まで通りそんな姉に騙された馬鹿な男子を侍らせ、逆ハーレムを作るらしい。
私は今必死に勉強している。姫花がどんなに頑張っても合格できない大学へ行くために。もうお姉ちゃんの好感度を上げるための道具にされるのはもうたくさんだ。