プロローグ
短くてごめんない(´-ω-`)
ジャンル別ランキング七位、有り難うございます!!
物語のお姫様はいつだって綺麗な顔をしている。綺麗な心を持っている。
───────でも私の顔は綺麗ではないし、性格も歪んでいる。
自分の人生では自分が主人公。そんな言葉を聞いた。
そもそも私にはそんな物語は用意されていない。いつだって主人公はお姉ちゃんで、いつだって悪役は私なんだ…。
「悪いがお前とはもう付き合えない。」
少しも悪くなさそうに言う彼氏の腕の中にいるのはお姉ちゃんの姿があった。
お姉ちゃんと彼氏は見つめ合い、そしてキスをした。
「ということだ。」
「ごめんねー、鈴香。茅斗とは別れてくれるよね?」
別れることを当たり前とした女王様口調でいった。
またか…。と思うだけで微塵も悲しみを感じない私はなんて可愛くないのだろう。
「うん。分かった」
それだけ言うと自分の部屋に戻った。
あんなに私に好きだとか、愛しているとか言った口で今度はお姉ちゃんとキス。
まぁ、いずれこうなるとは思っていたよ。
我ながらかなり冷めた思考をしているな。とのんきに思った。
だって貴方の瞳にはいつしか、私よりもお姉ちゃんを映していたよね。
お姉ちゃんはそんな彼氏の姿を見て嘲るように私を見て笑って私の耳元で小さく「ざまぁ」って言っていたよね。それは紛れもない悪意で。
「くくくく。何がざまぁなのかしら?あんな奴は要らないわ。」
あんな浮気者は要らない。
あんな直ぐにお姉ちゃんに揺らぐひとは要らない。
私はこの子さえいればいいの。
足元にくつろいでいるハスキーの首を撫でた。
賢くて、強くて、たった一人の私の味方。───あ。一匹だった。
私の願いは只一つ。
お姉ちゃんに屈辱的な目に合わせること。