日常
作者の初小説なので、おかしなところもあるかも知れませんが暖かい目で見てあげてください・・・
この小説に登場する高校や人物は現実とはなんら関係ありません。
ここは大阪
そしてここは奈々北高校。
晴れ渡る空の下奈々北高校の屋上で、大の字になりながら昼寝をする一人の男子学生がいた。
この学生の名前は蕾島 直人、でここの2年生である。
直人は不良と言うわけではないが、優等生というわけでもない。
運動神経は人並み、成績はクラスの平均とごく普通の学生である。
そんな直人が何故こんな場所にいるかというと、理由は簡単只今直人のクラスで行われている数学の授業が嫌いだったので、授業を抜け出しこの屋上に来て昼寝をすることにしたのだ。
直人が気持ちよく昼寝をしていると、屋上に上がる階段を駆け上がる足音が聞こえてきた。
その足音の人物は屋上のドアまで近づくとガチャガチャとドアノブをひねったが、ドアには鍵が掛かっておりうんともすんともいかない。
足音の人物はドアノブひねるのをやめると、少し後ろに下がりおもいっきり蹴っ飛ばした。
すると、ガーンッ!と鈍い音をたてながらドアは開いた。
ドアを蹴っ飛ばした人物はこの高校の制服を着た少女で、その少女は直人の近くに近づき直人の襟元をつかむと、そのまま勢いをつけて自分の額で直人の額を強打した。
簡単に言えばヘットバットである。
「がっは!?」
「がっは!じゃねぇーよこのバカたれが!呑気に昼寝なんてしてんじゃねぇーぞ!」
突然の痛みに苦痛の声をあげ、その苦痛の原因を少し潤んだ目でにらみつけながら抗議の声をあげた。
「な、何するんです瞳!、痛いでしょーが!」
その抗議の声に腹が立ったのか、まだ掴んでいる襟を力一杯に自分の顔に近付けると、さらにキレはじめた。
「だーれが瞳だぁ!私のことは田宮さんもしくは田宮先輩と呼べと教えたはずだがまだわかってねぇーのか!!」
「それにお前が悪いんだろうが!」
尚も切れながら話す瞳に怯えながらも質問をする直人
「ぼ、僕が何したて言うんですか!、それに瞳のことは幼稚園の時から呼びすてしていたっていうのに、今更さんづけしろって言われてもむりだよ!」
その言葉を聞き瞳は直人の顔を少し引き離し、今度はおもいっきり前後に揺さ振った・・・
「お前が何をした?だと?そんなこともわからんのか!!、お前が授業さぼるたびに幼なじみの私に助けを求めに教師どもがくるんだぞ!!」
「それに何故だか知らんないが、お前が真面目に授業を受けないと私までさぼり扱いになるんだ!後呼び捨てにすることによって私は友人に毎回からかわれるんだよ!」
そう言いながら、尚も直人を揺さ振るのをやめない瞳。
「ちょっ、わか、わかりまししたから揺さ振るるのやめて!!」
揺さ振られている直人は徐々に気持ちが悪くなってきたのか、うまく喋られないまま制止の言葉をいう。
その言葉を素直に聞いたのか、それともただ疲れただけかはわからないが取り敢えず揺らすのをやめる瞳。
「何がわかったんだ?」
「え?いや、その僕がさぼるたびに瞳じゃなかった、田宮先輩に迷惑をかけることがわかりました、あと呼び捨てするたびにも迷惑掛かることも・・・」
瞳の唐突の質問に少し戸惑いながら答える直人。
そんな直人にまだ納得いかない顔をしつつもわかればいいと答え、直人の襟元から手を離す瞳。
その言葉と行動にホッとしたのか、直人は少し安堵の顔を浮かべる。
今更だか直人に対してキレていた少女はこの学校の3年生で、名前は田辺 瞳。
直人とは幼稚園の頃からの付き合いで、瞳が何かと直人の面倒をみている。いわゆる幼なじみと言う奴である。
中学時代から嫌いな授業をサボりはじめた直人を、教師に頼まれサボるたびに呼びに行くのはもう日課のようなものである。
因みに瞳は空手部に所属しており、全国大会では1、2を争う腕前である。
「お前本当にそろそろ真面目にしろよ?もう高校入って2年目だろ?」
ホッとしたのも束の間で、暴力的な行動が納まったと思うと今度は説教をはじめる瞳、それを静かに聞くしかない直人。
「それに私はもう3年生だ来年には卒業して、この高校にはいないんだぞ?そしたらどうするつもりなんだ?」
「どうするって言われても・・・」
瞳の質問に少し口ごもりながら答える直人。
「私が卒業してもこうして又こさせるもりなのか?」
「いや、そんなつもりはないけど・・・」
「じゃぁ授業に出て真面目に勉強するだな?」
「うん・・・します」
しょぼくれながらそう返事する直人に対し、瞳は少し微笑むと直人の頭を軽く撫でながら返事を返す。
「そうか、ならいいでは今から授業に戻るぞ?」
「え、今から?もう時間ないし次からにしない?」
そんな直人の言葉に一つため息をつくと鋭く直人をにらみつけ、一言「いくぞ?」とつぶやいた。
直人はそれに逆らえるわけもなく、重い足取りで渋々ついていくのであった。
こうして直人のいつもとなんらかわらない、平和?な日常がスタートするのであった。
因みに直人は次の日は真面目に全教科受けたが、その次の日に授業を1時間サボり瞳の怒りの鉄拳をうけるのだった。