出会い、そして…。
どうして、こうなった?
《エマージェンシー、エマージェンシー!警戒令レベル5を施行してください!》
《対能力者編成を組み、速やかに鎮圧して下さい!》
「取り押さえろ!!!」
「え!?えっ!?」
「無駄な抵抗はやめろ!いかに、能力者と言えこの陣営にはかなうまい。対策本部にて事情聴取を行う。大人しくしていれば、情状酌量の余地はあるぞ」
《遡ること3日》
俺、新庄 蓮哉は、高校2年のゴールデンウイークを利用して、最近、観光地として有名な海を埋め立てて作った人工都市に遊びに来ていた。
超能力を持つ者はここに集められ専門の学校で使い方を教わる。
そんな少し、いやかなり変わった街だが科学はかなり発達している。超能力の研究をする天才たちが集ってこの島にやってきたのだ。研究者どうしの対抗意識のおかげもあってか、街並みはすっかり未来都市である。
「すっげー!まんま未来都市じゃねぇか!こんな街に住んでみてぇなあ!」
ドン
あっ、周りに気が散って前よく見てなかった。
「あっ、すみません!」
げ、なんかちゃらいやつらだな。
これは、急いで離れるのが得策だな。
「すみませんでした。失礼します。」
「おい兄ちゃん、ちょっと待てよ。」
「ぶつかっといて、それはねぇんじゃねぇの?」
うわぁ、絡まれた。どうしよう
「無視してんじゃねぇぞ、コラァ」「おい、こいつでさっき買ったスタンガン試してみねぇか?」
「お、いいねぇ。やってみっか」
この鉄の棒がスタンガン?どうみてもただの棒なんだけど。
「これはなぁ、最新型のスタンガンでな?殴る威力に応じて、電圧があがる仕組みになってんだ。」
解説ありがとうございます。って!それ滅茶苦茶危険だろ!
「くらえ!」
やべ、避けられない!
…………。
痛くない。てか、当たってない。
「大丈夫?怪我してないよね?」
ん?俺に話しかけてんのかな?目開けてみよう。
すごい美人がそこにいた。栗色の髪を肩腰のあたりまで伸ばしている。顔はちっちゃくて、プロポーションは抜群だ。
モデルさんかな?そんなことより、この人は何をしたんだ?殴りかかってきたやつが10メートル程吹っ飛んでいた。直後にもう1人に向かって手をかざした。と、同時にもう1人も吹っ飛んだ。
「大丈夫?」
「あ、はい。ありがとう。助かりました。」
「気にしないで♪私は萩原 静菜静菜でいいよ!能力は、空気義手。ランクは6。よろしくね♪君は?」
「おれ、いや僕は新庄 蓮哉。蓮哉で。えっと、能力?能力はないよ。ただの観光客だから。」
「そーなんだ。無能力者には、ちょっと危ない街かもよ?この街のノンスキラーは能力者対策もしてるみたいだし、徒党も組んでるから。」
「そうなんですか。」え?じゃあ、自由に観光出来ないの?
「そうだ♪良かったら案内してあげよっか?この待ちのおすすめスポットに連れてってあげる♪」
「いいんですか?でも、助けてもらった上にそんなことまでお願いしたら悪くないですか?」
「いいの、いいの♪もう1人来るけど、彼強いから安心して観光できるよ♪」
いい人だなぁ。綺麗だし。
彼…。かぁ。彼氏かな?
「静菜!って、ん?誰?」
「あっ、まぁ君♪此方は新庄 蓮哉君。レン君 こっちは、時田 勝君。」
イケメン。その一言で充分だ。
「あの、今日はよろしくお願いします。」
「へ?何が?」
「まぁ君!彼を一緒に案内してあげよ?さっき《アンジャッチ》に絡まれてたの。」
「また、やつらか。まぁ、いいけど、静菜は簡単に人のこと信用し過ぎだ。もっと疑ってかかれよ。そいつが、アンジャッチの回し者の可能性もあるだろ?」
「ん~?そうだとしても、まぁ君がいるから大丈夫でしょ?」
「そういう問題じゃない。…。はぁ、分かったよ。案内すればいいんだろ?えっと、蓮哉君?俺のことは呼びすてでいい。能力は、言わなくていいか?あまり言いふらしたくないんでな。」
「うん、俺も呼びすてでいいよ」
「じゃあ、自己紹介もすんだことだし、安西大橋からいってみよー♪」
そして、アクアバヴでの3日間を満喫した。
「この3日間、ホントにありがとね。楽しかったよ!」
「おぅ、また来いよ。」
「メールしてね♪」
「またね!」
「「またな(ね)」」
2人と別れて、簡単に昼食をすませ、この島唯一の本土へと架かる橋、未来大橋に向かう電車に乗りもうとしていた。
そして、ゲートを通った瞬間。
ジリリリリリリリリリリリリリリッ♪
「何だ?」
「能力者探知センサーが反応!!!外部への無断逃亡の恐れあり!!絶対に逃がさないでください!」
《全職員に告ぐ!逃亡者の捕獲、及び拘束にかかれ!拘束後は本部まで連行するように。》
そして、冒頭へつながる。
どうも、ここまで呼んで下さった方、ありがとうございます。近いうちに改訂版を作るつもりです。今はこれで、すみません!