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~ブルーノとフィリーネ~

最初話になります

「フィリーネ、やっとだね。明日、やっと君を僕だけのものにできるんだね。

長かった、僕ずっと待ってて、嬉しくて、ぐすっ」


「もう、ブルーノったら泣かないの。ほら、涙を拭いて。

明日は私たちの素晴らしい門出の日よ。笑って迎えましょう。私、あなたの笑顔が大好きよ」


「ああ、フィリーネ。僕も大好きだよ」


「うふふ。明日は王太子様もいらっしゃるのでしょう?」


「うん、側近である僕のお祝いだからって、何をおいても駆けつけるってさ」


「まあ、有難いわね。あなたが王太子様に可愛がられている証拠だもの。

でも、まさか第二王子殿下が王太子に就かれるなんて思ってもみなかったわ」


「そう?僕は最初から第二王子殿下に国王の姿を見ていたよ。だから、第一王子じゃなくて、第二王子の下についたんだ」


「そうなの?あなた人を見る目があるのね?」


「ふふ、フィリーネに言われるとなんだかこそばゆいね。嬉しいや。

ま、婚約破棄なんかするような側近がついてる時点で、先は見えていたよ」


「ああ、メイナード様ね?あの人、今はどうしてるの?あの、浮気相手の方もいつの間にか学園からいなくなったし。二人ともお元気かしらねえ?」


「メイナードは今、領地にいる。たぶん王都にはもう出てこないんじゃない?

そもそも弟が侯爵家を継ぐことになったからね。

それでも第一王子の側近としての立場があればまだしも、側近についで婚約破棄なんて言うバカな行動をする殿下を抑えられなかった役立たずなんて必要ないもの。

あいつの未来はもう終わってるよ。後はどこかの娘と結婚でもして、一生領地を守っていくんじゃない?あいつにはお似合いさ」


「あら?あの浮気相手の方とは一緒にならないの?やっぱり男爵家の娘ではダメだったのかしら?」


「ああ、マリアね?彼女は今、隣国にいるらしいよ、家族で移りすんだらしい。

そもそも侯爵家嫡男のメイナードに魅力があったわけだし、侯爵様になれない時点で魅力が無くなったんじゃない?

しかも、あいつの婚約破棄の後すぐだったからね。第一王子殿下の婚約破棄事件も。

爵位もない、地位も仕事もないような男なんて、マリアじゃなくても無理でしょ」


「あら?私はブルーノが仕事もなく、爵位がなくても一緒になるわよ。

私が働いて食べさせてあげるわ。大丈夫よ、贅沢さえしなければ。侍女のアンに料理も洗濯も教えてもらうもの」


「フィリーネ!!ああ、君はなんて人なんだ。大丈夫だよ。君に仕事なんてさせやしない。

君のこの手が水仕事で荒れるなんて想像すらしたくない。

君はアンにすべてを任せて、綺麗にしていてくれればそれでいいから。

アンは本当に君を愛してる、僕が嫉妬するほどにね。彼女が女でなければ決闘を申し込むところだけど。彼女の腕は確かだから、僕は癪だけど君を任せられるんだ。

だから、君は何も考えず僕の為だけにその身を輝かせておくれ」


「ああ、そう。癪なのね?でもアンを受け入れてくれてありがとう」


「ねえ、知ってる?僕とアンはね、いつもフィリーネのことで競い合ってるんだ。

どちらがフィリーネの事を知り尽くしてるかを言い合ってる。

実はね、今はまだアンに軍配が上がってる。だって彼女は君の湯あみもしてるからね。

身体のホクロの位置や数を知ってるのは彼女だけだから。

でも、明日の夜からは僕が知ることになる。僕だけが知るんだ、君のすべてをね」


「・・・え?あの、ブルーノ?」


「ああ、楽しみだ。明日の夜はね「初夜」って言うんだよ?さすがにそれは知ってるか?

明日の夜は、まずはホクロの数を数えよう。で、次の日はそのホクロに口づけを落としていく。そのまた次の日には・・・」


「ストップ!!何言ってるの?ちょっと、、、変態?」


「うふふ。夫婦になるんだから変態なんかじゃないよ。ホントは毛穴の数まで数えたいのに。

君のことで知らないことがあるなんて僕は耐えられない。

初夜から3日間は蜜月だから、誰も邪魔しない。アンでさえね。ああ、楽しみ過ぎて眠れないよー」


「・・・なんだか不安しかないんだけど、結婚を早まったかしら?」


「え?なんか言った?」


「いえ、何でもないわ・・・」


「そう?よかった、何でもなくて。うふふ」



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


少し早いですが、皆様にとって来年は素晴らしい1年になりますようお祈りしております

ありがとうございました。

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