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第四話「模擬戦」

 Side 楠木 達也


 =防衛戦隊基地、訓練場=


(あ~帰りたいなぁ~)


 達也は広い訓練場でそんな事を考えていた。

 周囲には桃井 薫、新宮寺 芳香、佐々木 麗子、白墨 マリアの5人が居た。


 中條 霞、空鳴 葵は指揮担当。

 言わばセコンド役である。

 

 訓練場は観客席まであり、バリアフィールドで守られているらしい。

  

 観客は超満員。


 熱狂が渦巻いている。


 正直言うとプレッシャーで達也はどうにかなりそうだった。

 皆は緊張してないのだろうか。


 そう思ってしまう。


『ではこれより、ゴーサイバーとジルバーンの模擬戦を開始いたします』


 と、アナウンスが流れる。

 ワザと手を抜いて脱落しようかなとか思う一方で皆の期待に応えたいと言う気持ちもある。

 

(出来る限り頑張ってみるか)


 学校の皆を思い浮かべてやる気が出てきた達也。

 勝てるかどうかは分からないが恥は晒したくはない。

 そんな気持ちだった。


『それでは模擬戦スタートです』


 そうして模擬戦が開始された。


 

 戦いは防戦一方だった。


 ジワジワと連携プレイで追い詰められていく。

 そんな感じの戦いである。


 相手のロボットヒーロー、5体のジルバーンは完璧な連携を行い、此方の連携のボロを的確に突いてくる。

 

 まず先に狙われたのが桃井 薫、新宮寺 芳香。

 分断されて一対一の戦いに持ち込まれ、まるで動きを読み切られて撃破判定となった。


 次に狙われたのは白墨 マリア。

 ゴーサイバーは遠距離型が一人しかいないのでそこを狙われ、複数での接近戦に持ち込まれて脱落した。


 そして残ったのは楠木 達也と佐々木 麗子。

 

『まさか私と達也が残るなんてね』


『そうだね……』


 背中合わせになって周囲を警戒する二人。

 周りは5体のジルバーン達に囲まれている。

 大なり小なりダメージは負っていると思うがそれでも不利である。


『このままやられるよりかは――』


『分かった。その案に乗ろう』


 麗子の案に達也も乗る。

 二人は駆け出した――



 =防衛隊基地、控室=


 結果的に言えば惨敗である。

 ジルバーンを一体も倒せなかった。


「皆ご苦労だった。しっかりと休んでくれ――」


 不思議と中條は強く叱責して来なかった。

 どちらかと言うと申し訳なさそうな態度だった。

 

 彼女の片腕の空鳴さんが席を外して後を追う。

 一体どうしたのだろうか。



 Side 中條 霞


 =防衛隊基地、廊下=


 悔しかった。

 完敗だった。

 

 仮に自分が参加していても結果はそうは変わらなかったように思える。

 

 だからこそ認めざるおえない。

 あのジルバーンの性能を。

 

「どうしたの? 霞?」


「葵か――」


「貴方は完璧主義なところがあるから心配なのよ」


「だがな――」


「悔やんでも結果はどうにもならないわ。悔しいけど認めるしかないわ」


「そう……だな……」


 そうは言われても霞にはどうすればよいのか分からなかった。

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