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お兄ちゃん誕生2

 例えるならば少し熱めのお風呂に入ってじわぁからの慣れて適温になってきた的な感じの心地よさだった。


 この世界に温泉とかあるんだろうか。


 ないなら気合いで作るしかないだろう。


 妹たちとの混浴を目指すしかないだろ。


 お風呂イベントはどんなギャルゲーでも必須でしかない。


 無駄に高まってきたわ。


 とかなんとか思っていると体の暖かさが徐々に失われて光も同時に失われていく。しかし中途半端に浸かったあとのお風呂上がり的な不快感はないのが救いといったところ。


「おおう、これは……」


「いかがでしょうか? これで職業授与は終了です。お疲れ様でした」


 俺の反応を見て、特に異常がないことが確認できたためだろう。イケメンは席を立って帰りの案内をしてくれる。


「これで私はお兄ちゃんになれたのでしょうか」


「私共としましてはいかんせん見たことない職業でありますので、申し訳ありませんがジンさんご自身で確認いただければと……」


 非常に申し訳なさそうにしてくるイケメンだが、たぶん心の中では何言ってんだこいつくらいに思ってるに違いない。


 正直俺にもよくわからんだろこれ。


 お兄ちゃんてなんだよ。


 俺のごり押しの語りで納得してくれたのは嬉しいけどじゃあ逆にどうやって授与したんだよって話になるだろまじで。


 いや俺が全部悪いんだけどさ。


 というかそもそもどうやって確かめるんだと思ったところで気付いた。


 そういえばナチュラルに鑑定出来てたじゃん。


 あの兎のステータスがのぞけなかったのはきっとレベル差か何かで見れなかったんだろうと勝手に思う事にした。モンスターの生態がわかるのは逆に高性能すぎるだろと思わないでもないが。


 というわけでネトゲのような感じでステータスを見るときのアクション、指先をちょいっと上から下に振ってみる。



名前:自分

種族:人(神の使い)

職業:お兄ちゃん

レベル:1



 おう、まじでなってるよこれ。


 ただ種族が人としてどうなのみたいになってるけど大丈夫かなこれ。人からみたらすごい勘違いされそうな感じあるけど。


 考えても仕方ないか。


 俺はお兄ちゃんレベル1の新参者だ。世の中の他のお兄ちゃんレベル高い人物にあったら色々教えてもらおう。きっとこの街に知ってる人がいないってだけで世界中探せば何人かいるだろまじで。


 いなかったらいなかったでその時はその時だ。


 すべての妹の独占権を得たと前向きに考えよう。


 というかステータスだけどこれレベルだけか。なんかこう攻撃力だとかよくあるAGIとかINTとかそういうの見れないのかなこれ。


 ならば詳細確認する感じでステータス画面をタップ。



《ステータス情報の詳細》

基本的に通常のステータス通りの伸びを見せる。ただし神の使いのパッシブ効果により人間的な限界はない。数値は以下の通り。


HP:10/10

MP:500/500

VIT:3

STR:1

DEX:4

INT:2

AGI:1

LUC:1000


 なんだこれ。運が高いな。そういえば命助けてもらったのもあるしそういう所か? MPも初期レベルなのにやたら高い。これは中々良い職業なのではないだろうか。


 数値的に満足度が高いのはネトゲしててもギャルゲしてても嬉しいところだろう。


 レベルカンスト付近までステータスの恩恵預かれない職を育てている時の心の死にっぷりたらないと思うわ。戦略立てられて楽しいけど。


 そのあとに実際に強い職とか触るとめちゃくちゃ扱いやすくなったりして、他の職の特性が頭に入るからゲーム上達した感じが凄く好き。


 だから辞められないんじゃんね。


 ネトゲ引退とか相応にリアル忙しくならないと無理だろ。


 何年も一緒にやってた奴は急にリアル忙しくなってゲームから引退して、その時の寂しさと言ったらないわ。


「それではジンさん、今日からあなたはEランクからのスタートとなります。詳しくはあちらの受付でお聞きください」


 そういうとイケメンはまた奥に去っていった。職業授与なんて仕事だから他にやる事いっぱいあるのだろう。だれだれがどんな職について登録しました的なあれそれが。


 そこにお兄ちゃんの名を刻んだのは地味に嬉しいかもしれない。


 とりあえず新しい事初めて名前が残ったら嬉しいだろう、男の子のロマンだ。


 そんな歳でもないけども。


 とりあえずはイケメンの案内に従って受付でギルドの説明を受けることにしよう。


「すいません、先ほど職業授与いただきましてこちらで説明してくださるとの事だったのですが、お願いしてよろしいですか?」


「はい、神野ジンさんですね。承りました」


 こちらは某ハンティングゲームの受付とは違い、なんだか冒険者風のお姉さんだ。ギルドに雇われているんだろうか。


 見た目はスラっと背が高く髪も短く切りそろえている。動きやすさを重視したのか皮装備が要所にあてがわれそれ以外は布生地だ。金属の類は肩と手の甲と膝くらいしか見受けられない。


 このまま狩りに行くって感じじゃなく重い装備だけ全部外しましたって感じの外見だ。


 そんな冒険者スタイルなのになんでこんな丁寧なんだ。ギャップが可愛いだろう。


「いかがされました?」


「いえなんでも」


「そうですか、では説明させていただきますね」



------------



 ざっと説明を受けた所、ギルドのランクはEからSまであるとのこと。全員が始まりはE。たまに例外ですっ飛ばしていく人たちもいるにはいるが、相当の伝手と実力が認められないとだめらしい。


 基本的にはギルドで受注したクエストをクリアしてランクを上げていくのだが、所持しているアイテムがクエストにあった場合、受注して即クリアという事も可能らしい。


 だけどクエストは複数受けられないため、一つ受けたらクリアしてから次のクエストを受けなくちゃいけない。


 例えば採取のクエストが二つあって近くで両方採取できた場合、どちらかを一つ受けて出発する。二つのクエストを終了できる分だけの採取をする。戻ってきてクエストクリアして、もう一個のクエストをまた受けてクリア。


 しかし戻って来るまえに他の誰かが残っている片方をクリアした場合は無駄になる事が多いとのこと。


 ただ採取アイテムはギルドで引き取る事もできるので、報奨金が出ないだけでマイナスにはならないのも間違いないそう。もちろんその採取アイテムを自分で使うのも問題ない。


 同時に何個も受注して行って死んだりした場合全てのクエストが達成できなくなるので、それを防止するためのものだということ。


 確かにギルドからしたら信用を失うことになるだろうし必要な措置だろう。ネトゲだと全部一気に受けて徐々に処理して全部終わったら一気に報告って流れが多かったけど現実だとそうだよな。


 どんだけ信用されてたら一気に受注できるのかと。初めてあった人にお願いしまくるとか実際頭おかしいよな。


 ランクアップに必要な条件はクエスト毎に決まっているポイントをためて行き、国から認められればランクが上がっていく仕様らしい。ランクBまではすんなり行くみたいだけどそれ以降は厳しいチェックが入ってその辺で止まる人がおおいというのも聞いた。


 学校の評価みたいじゃん。


 評価満点をつけられるのは全体の何%しかだめ、みたいな謎のあれ。あれなんなんだろうな、優秀な人材をわざわざ切り捨てることになるし、頑張ったのにぎりぎり評価されないとかぐれる要因でしかないと思うのだけど。


 決まり事ってよくわかんないの多いよな。きっと多すぎると推薦とかやりづらくなるからだろうけどちゃんと見てほしいよな。


 でもそういうものはそういうもので仕方ない。諦めるか自分が変えるしかない。


 とりあえずは簡単そうな依頼から処理していこう。ポイントは書いてないけどちょっとずつ欲張らないで頑張っていこう。


 こちとら初期レベル。近場の薬草採取とか良いんじゃなかろうか。



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